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「謝るの俺の方じゃねぇ？放課後１７時に校門で待っててよ」
初めてのデートの誘いだった。
未だに現実とは思えないまま、それでも校門の前で健気に藤ヶ谷先輩を待っている自分の姿が、周りから映っているか怖くて考えたくなかった。
他校の女子生徒達も数名、うちの学校の生徒の誰かを待っているのか、校門の中を覗き込んでいる。
「ごめん、だいぶ待っただろ。行こう」
補講が思ったよりも延びたのか、慌てて駆け寄ってきた藤ヶ谷先輩が、両手で手を合わせて私に謝り歩き出す。
同時に藤ヶ谷先輩の歩調に合わせて動き出す他校の女子生徒に驚いた。
この人達ってまさか。
私の動揺に気付いたのか、先輩が隣を歩く私に耳打ちする。
「俺にも多少はいるんだよ、追っかけっつうの？暇だよなあいつらも」
何でもないように歩き続ける先輩は、つけられることには慣れているのだろう。
後ろからついてくる女の子達のことなど気にせず歩き続ける。
「家まで追けられるんですか？」
「まぁ、ね」
自分には想像することも出来ない世界で生きている先輩。
こんな風に絶えずたくさんの目に晒されることも、悪意ではない好意の目だから耐えられるのだろうか。
私には理解らないけれど。
その時、耳に飛び込んでくる女の子達の言葉。
『隣にいるブス、あれ何？』
『え、太ちゃんのストーカー？』
『嘘。初めて見るんだけど。てかキモくない？ 』
間違いなく自分に向けられた言葉。
その手の感情をぶつけられることには慣れているから平気。
だけど先輩の耳にも聞こえているかと思うとそれが辛かった。
と言うより、恥ずかしかった。
逃げたい。
先輩の隣を歩くなんてやっぱり大それたことで、厚かましいことで、何よりも不釣り合いで。
それとなく歩みを速めた私に、更に追い討ちをかけるように、
「あれ、太輔？」
前方にいた藤ヶ谷先輩のクラスメイトらしき集団。
「さっき太輔のこと、
「最近、亜璃珠がご機嫌斜めなのってもしかして、これ？」
そう言ってちらりと私のことを一瞥して、先輩に視線を戻す男子達。
「一体何の遊びしてんだよ」
「ストレスで気でも触れた？」
口々に呆れたような、揶揄するような声が先輩に降り注ぐ。
亜璃珠というのはきっとはちまきを捨てた女の先輩のことだろう。
これ以上の私への侮蔑の言葉を先輩に聞かれることが耐えられなかった私は踵を返して走り出した。
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R(プロフ) - 続編の下書き終わるの待ってます！ (2020年7月16日 20時) (
レス) id: 6721bb2d67 (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - 私の好きな、女性に冷酷な太輔くん、ここにいました！女の子をとっかえひっかえみたいな。ドンジュアンみたいですね。やっぱりハマり役ですね。でも、物語はちょっとツラい展開になってきましたね・・・ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 1dbee522b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ayachokoさん» あやちゃん(TT)いつぶりだよっていうくらいの久々更新でごめんなさい。まだ読んでくれていたのですね涙。Fさんイイ男(あくまで自分的好み)に書きたいと思えば思う程出来なくて逃げました笑。ゆるゆるとですが頑張りますね(TT) (2019年9月1日 13時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - sioriさん» お久しぶりですw 悪い男なFさん私も大好きですが難しいです(TT)でもミュージカルのF様の素晴らしさに触発されたので再び頑張ってみようかと(><)。 (2019年9月1日 13時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 良かった、更新された(涙)ドンジュアンのおかげだね(笑)私も栞ちゃんと一緒でしろたんの描くメンバーみんな大好きです！しろたんが描く悪い男、すごいかっこいいのでこれからも楽しみにしています。 (2019年9月1日 12時) (レス) id: 307c8bd05d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ましろ
| 作成日時：2018年12月18日 7時
