* ページ47
「太輔は蒼月の居場所を知らないの?」
「ごめん、そこまでは....」
申し訳なさそうに私を見つめる太輔が、嘘をついているようには思えなかった。
「すぐに退所したんだよね?」
「....と思う。つかAは伊勢谷の知り合いなの?」
首を傾げる太輔に、
「蒼月と私は双子なの」
小さな声で呟けば、太輔の身体がピクッと固まった。
「双子....?」
「二卵性だから似てないでしょ」
「あ、ああ、う、ん」
明らかに動揺している太輔の態度に不安になる。
「どうしたの?」
「あっ、いや....」
「太輔....?」
「A」
急に力強く抱きしめられ、組み敷かれる身体。
やがてゆっくりと顔が近付き、鼻と鼻が擦れ合う。
「俺に本気にならない?」
耳元で囁かれ、太輔の柔らかい唇が首筋を伝う。
「本気....?」
「俺と恋人になってってこと。本当の」
太輔の言ってることがよく理解らず、黙ったままの私に太輔が苦笑する。
「勇気を出して告ったのにノーリアクション?」
「何の冗談──」
「冗談じゃないよ。何なら同棲する?」
「やめて....」
「俺、振られんの?俺のどこが駄目?」
「そういうことじゃないの。今は大事な時期なんだから軽率なことしたら駄目って意味」
「北山とマネージャーみたいなこと言うなよ、萎えるわ」
「太輔っ」
「アイドルが恋愛しないなんて本気で思ってる奴がいたら頭おかしい奴だよそいつ」
「それはそうだけどっ。でもアイドルになりたくて今こうして頑張ってるなら、あまり開き直らないで」
デビュー前でもたくさんのファンを抱えて。
応援されて、愛されて。
多くのファンを魅了し、虜にして。
それ故にプライベートも制限され、息苦しいこともたくさんあるだろうけれど、だけどそれでも、いつかその苦しみも全て報われると信じているなら。
今ここでヤケになって欲しくない。
「どうしたら俺と付き合ってくれんの?ならデビューしたら、いい?」
返答に困って太輔を見れば、太輔が噛み付くようにキスをしてきた。
「結構ショック....今、俺」
「本当の私を知ったら太輔は幻滅する」
「何それ、信用ないね俺って」
自嘲めいた笑みを浮かべた太輔が、苛立ちをぶつけるかのように私を強引に俯せにして、後ろから乱暴に貫いた。
「ん、ぁぁっ、ああっ、ゃぁっ」
「俺のカタチ覚えるまで抱き続けるから」
「あっ、んっ、ぁぁっ、んぁっ」
太輔の律動は、気を失いそうになるくらい激しくて、痛くて、
そして悲しかった───。
567人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましろ(プロフ) - clubwonderさん» お待たせしていてごめんなさい;;やっと書き始めることが出来たので....相変わらずちまちま更新になるかとは思いますが、どうかお付き合い下さいませ!! (2018年8月10日 20時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
clubwonder(プロフ) - お忙しいのか中々更新されないですね…。気長に待ってるので、このまま終わるという事にはならない事祈ります!続きが気になって仕方ないです! (2018年7月28日 1時) (レス) id: 697db724dd (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - みゆさん» 最近なかなか更新出来ずにごめんなさい;;また近々再開しますのであともう少しだけ待っていて下さいね!温かいお言葉本当に有難うございます。とっても嬉しいです^^ (2018年7月9日 0時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - sioriさん» siori様、しばらく更新せずにごめんなさい;;次の章では彼等sideも出てくるので全容が明らかになるかと。ってそんな大したこともないんですけどね(笑) (2018年7月9日 0時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - clubwonderさん» お返事遅くなってごめんなさい;;毎日覗きに来てくださっていたなんて嬉しくて泣きそうです。今少しお休みしていますが、今月末からまた書き進めようと思っていますのでもうしばらく待っていて下さいね。本当に読んで下さって有難うございます! (2018年7月9日 0時) (レス) id: ba5f8d5732 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましろ | 作成日時:2018年5月8日 18時