4 F ページ40
どうかしてる。
校庭で行進練習をしていた生徒達。
スローモーションのようにAが崩れ落ちるのが分かった。
すぐに分かってしまった。
気づいたら既に走り出していた。
誰よりも先にAを抱え上げれば、養護教諭も走って来て、Aの容態を確認し、「保健室までお願いします」と俺に頭を下げた。
Aの細く華奢な身体は想像以上に軽くて、俺が抱き潰したら壊れてしまいそうだなと、一瞬邪なことを思った自分に辟易した。
ハーフパンツから伸びた細く綺麗な脚と、体操服からうっすら見える下着の線に、いやでも年頃の女を感じてしまう。
本当は男の俺が抱えない方が良かったのかもしれない。
後で上や、他の生徒達から何か言われるかもしれないなと思ったが、仕方がない。
あの時は考えるよりも先に、身体が動いていた。
俺はいつだってAを目で追っている。全身全霊でAを気にしている。
だから、すぐに気づいたんだ───。
*
眠っているAの顔を見つめていたら、どうしても我慢出来なくなって。
その唇で北山と何回、した?
何回キスをした?
俺のことが好きなんだろ。
なのに、お前は北山と。
どす黒い感情が心に広がっていく。
自分で突き放しておきながら、本音はこんなにも醜く、浅ましくて。
結婚してしまえば、諦めもつく。
こんな苦しい感情から解放される。
だから、後もう少しだけ...
Aの唇にそっと自分のそれを重ね合わせた。
たったそれだけの行為で、身体の奥がズクンと疼く。
甘く切ない痺れに、思わず吐息が洩れて、慌てて唇を離した。
まさかすぐにAが目を開けるなんて思いもせずに、身を離そうとした俺の腕をAが掴む。
「た...いちゃ」
苦しそうな、悲しそうな瞳。
吸い込まれそうな程、真っ直ぐに俺を見つめる瞳。
俺はその目を見つめ返すことが出来なかった。
やがてAが「結婚するの?」と小さな声で訊いてきた。
玉から訊いているのだろう。
最近元気がなかったのはそれが理由か。
そう思う自分は自惚れてるんだろうか。
「何で...何で、私せっかく...せっかくここまで大きくなったのに。やっとここまで来たのにっ」
胸が抉られるように痛んだ。
涙を溜めて必死に俺を求めるA。
親友の娘。
かつて愛した女の娘。
教師と生徒。
だから何だって言うんだ。
そんなこと大したことじゃないのかもしれない。
「A、俺はっ」
北山が来なかったら、俺は何を言うつもりだった?
314人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時