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藤ヶ谷に抱き上げられ運ばれていったAが心配で、体育祭の全体練習が終わった瞬間、俺は保健室へ駆け出していた。

最近元気ねーなと思ってたけど、体調悪かったのかよ。

元々、他人に弱味を見せる奴じゃないのは理解ってるけど、俺に何も話してくれないAが歯痒かった。

寝ていたらと思い、保健室のドアをそっと開ければ、引かれたカーテンの中からぼそぼそと話す声が聞こえる。

A、起きてんのか。
てか、この声、藤ヶ谷...?

「太、ちゃん...行かないで...」

太ちゃん?
太ちゃんて...藤ヶ谷、のこと?

鼓動が早くなる。

「太ちゃん、本当に結婚する...の?」

「ああ」

「何で...何で、私せっかく...せっかくここまで大きくなったのに。やっとここまで来たのにっ」

「A、俺はっ」

「A、大丈夫か?」

2人の間にただならぬものを感じた俺は、カーテンの手前から大声を出した。

勢いよくカーテンが開き、強張った顔で出てきた藤ヶ谷に、俺はわざと驚いてやった。

「うわっ、藤ヶ谷、いたのかよっ」

「っ、ああ、玉森の様子、見に来てた...」

俺から目を逸らして答える藤ヶ谷。

「俺も入っていい?」

返事を待たずにAの傍へ駆け寄れば、藤ヶ谷がそっと保健室を出ていくのが分かった。

「A、大丈夫か?お前、ちゃんと飯食えてる?」

Aの頭を撫でてやれば、Aが泣きそうに顔を歪めた。

「北山先輩、私っ──」

Aの紡ぐ言葉が怖くて、俺はAの唇を自分の唇で塞いだ。

驚いて目を見開くA。

「誰もいない保健室って何かムラッと来ちゃうな」

「せ、先輩っ」

「もういい加減、名前呼んでよ」

「え?」

「北山先輩、じゃなくてさ。下の名前」

太ちゃん、と呼んでいたAの声が頭から離れない。

「宏光、って呼んで」

「で、でも」

「呼んで」

「宏光...先輩?」

「ぶっ、ま、いっか。いいよ、まだそれでも」

俺はくすっと笑って、

「Aってさ、藤ヶ谷のこと、他の女子みたいにたいぴーって呼ばないのな」

思いきって気になることを訊いてみた。

「何で?」

戸惑った表情を浮かべるAから目を逸らさずにいると、Aが唇を噛み締めた。

俺は意地悪だ。
だけど以前から気になっていたのは事実だった。

「何か...他の子達みたいに、そこまで先生と話したりしてないから...」

「ふーん」

俺は納得したように頷いて、Aの額にもう一度キスをすると、

「また来るな」

教室へと戻った。

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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時

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