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床の固さから守るように、北山先輩が私の頭の後ろに手を滑り込ませ、覆い被さる。
これから何が起こるのか、全く理解らない程無知じゃない。
それでも、こんな状況でさえ、私は北山先輩の、射抜くような、それでいて艶めいた瞳に見惚れることしか出来なかった。
顔を近づけた北山先輩と鼻先が擦れ合うだけで、胸がぎゅっとなり、息が苦しくなる。
唇が重なる。
何度も、何度も。
唇の弾力を楽しむように優しく押し付けるように。
北山先輩の柔らかくてさらっとした唇の感触が気持ち良くて、思わず吐息が溢れる。
瞬間、北山先輩の舌先が私の口を抉じ開けるようにして中へと入り込んできた。
「ふっ、ぁっ、ンッ」
感じたことのない刺激に思わず目を瞑った。
ゾクゾクとした感覚が全身に広がっていく。
ぎゅっと瞑った目尻に涙が滲む。
優しく、ゆっくりと、北山先輩の舌が私の口の中で動くのが分かる。
歯列をなぞられ、上顎、頬の内側に舌が這う。
「ンッ、ハァ...ハァ...」
舌先が触れ合い擦られる。
「ぁっ」
身体の奥がじんと熱くなり、何かが流れ出るのを感じて、思わず身を捩った。
けれど北山先輩はそのまま、更に舌を絡めるようにキスをしてくる。
「ふっ...ンッ...ンンッ」
やだ、怖い。
気持ちいい。
怖い。
息が上手く吸えず、視界が滲んだ。
これが、キス?
大人の、キス?
ぎゅっと腿に力が入る私に気付いた北山先輩が、ふっと笑って、
「感じた?」
私の瞼にそっとキスを落とす。
「せ、先輩っ」
「やべぇ、これ以上したら、本当に止まんないわ」
掠れて上擦った北山先輩の声。
北山先輩を見ると、苦しそうに眉根を寄せて、微笑んでくれる。
「Aだけ、いかせてやりたいって思ったけど...」
「え?」
突然、抱き起こされ、北山先輩の膝の上に乗せられる私。
「俺の方も限界。今日は軽いキスだけな」
そう言われて、何度も唇を啄まれる。
その時だった。
部室のドアが開き、私は思わず北山先輩の胸に顔を埋めた。
「まだいたのか。早く帰れよ」
「すいません、今帰ります」
すぐに閉まったドアを見つめ、北山先輩が大きく息を吐く。
「完璧見られたよな。ま、でも藤ヶ谷はそういうところはうるさくねーから別に平気だろ、
ってA?おい、どうしたんだよ?」
北山先輩にしがみついて震えている私を北山先輩が驚いて抱きしめる。
「A?大丈夫か?」
太ちゃんに、見られた...
よりによって太ちゃんに───。
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時