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夕方、あまりにぐったりとした二階堂先輩が弓道場に現れたので、私と北山先輩は顔を見合わせて笑った。

「これじゃ、今から俺の課外授業...は無理そうだな」

「もう勘弁してっ、3日間の補講が終わった後にしてよぉ、死んじゃう」

泣きつく二階堂先輩に、「仕方ねーな」と頷いて、北山先輩が帰り支度を始める。

「Aも帰るぞ」

「は、はい」

何となく3人で校門を出て、一緒に駅まで歩く。

すると駅前のカラオケ店を見つめ、「ああ、歌ってストレス発散したい」と叫ぶ二階堂先輩。

「久しぶりに行くかー」

北山先輩が笑って私の肩を引き寄せる。

「Aもこの後予定ないなら一緒に行かね?」

他の男にされたら嫌悪感で突き飛ばしているような行為も、北山先輩だと全く不快に感じないのは何故なんだろう。

私は北山先輩だと何をされても嫌に思わない。
それどころかド○○キしさえ、する。

それは太ちゃん以外の男の人では初めてのことだった。

「よし、行こう」

私達は3人でカラオケ店に入った。





先輩2人はびっくりする程歌がとても上手だった。

北山先輩の、少し鼻にかかった甘いミックスボイスと二階堂先輩の魅力的なハスキーボイス。

感動して2人を絶賛していると、

「Aの声もウィスパーボイスっての?すげぇ綺麗な声してる」

北山先輩が感心したように私を見つめた。

「その声さ、別の時も、すげー興味あるわ...」

「え?」

「あ、いや、何でもねっ、次俺の番な」

マイクを握り締め、慌てて前を向く北山先輩。

私も気になります、先輩。

そのいい声で、林先輩にどんな愛の言葉を囁くんだろうって。

高校生はもう子どもなんかじゃない。
太ちゃんは私のことを子ども扱いして、決して大人には見てくれないけれど。

私達はもう大人と同じように愛し合うことが出来る。

なのにどうしてまだ私を拒むの?
それは教師と生徒だから?
私のパパとママに申し訳ないから?
それとも私のこと、ただ単に女として興味がないだけ?

それならもう諦めるしかない。

心の何処かでずっと期待してた。

太ちゃんも私のことを嫌いじゃないはずだって。
根拠もなくずっと自惚れていた。

だから時期が来たらどうにかなるって。

だけどもう限界だよ、太ちゃん。
これ以上は無理だよ。

太ちゃんに恋人がいる思うだけで、
恋人を毎日愛してると思うだけで、
上手く息が吸えなくなるのに。


太ちゃんが誰かと結婚しちゃったら、
私、きっと生きてはいけないよ───。

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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時

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