ETERNAL

After two months F ページ9

色々なことに飽きていた。

自分が恵まれていることは、充分に理解している。

仕事が忙しく、なかなか日本に帰ってこれない申し訳なさからか、多少の贅沢をしても困らないだけの生活費を振り込んでくれる両親のおかげで、普通の高校生では考えられないほど怠惰で堕落した一人暮らしを満喫できていることぐらい、理解っている。

週に３日、食事や掃除をしに家政婦が来てくれるので、食べるもの着るものも何１つ困らない。

有り余っている金でいつでも好きなだけ遊ぶことも、欲しいものを買うことも出来る。

けれど。

そんな生活も半年と経たない内に全く面白くなくなった。

高校生のやれることなんて所詮は合コン、カラオケ、ゲーセン、デート、そのくらいしかなく。

正直うんざりしていた。

何をやっても続かない。興味が持てない。
面白くない。

誰と付き合っても続かない。興味が持てない。面白くない。

俺がおかしいのか。

あらゆる放課後の遊びにも飽き、その時々付き合っている子を家に連れ込むことも、すぐに面倒になった。

気づけば俺は夜の街をふらふらするようになっていた。

幸い私服の高校なので、夜遅くまで街をうろついていても誰に咎められることもなかった。

一体自分は何をやっているんだろう。

適当な女を捕まえて時間を潰す。

お茶のお礼、夕飯のお礼、宿のお礼に彼女らに与えるのは甘い台詞や身体の相手。

明確なギブアンドテイクの関係。

同級生の女達の色々な面倒臭さよりは、よほど楽だった。

ただそれが楽しいのかと訊かれれば、全く楽しくはなかったけれど。

なのにどうしてか。

自分でもよく分からない。

家に独りでいることの方が、もっと耐えられなかったからかもしれない。

楽しくなくても、誰かと楽に時間を潰せればそれで良かった。

大人は無駄に干渉してくることも、面倒くさいことも言ってこないから。

だから俺はふらふらとあてもなく、相変わらずの虚しさを抱えて、夕暮れの街を歩いていた。

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