幸せ T ページ49
固く張りつめたものを蜜が溢れ出す場所に宛えば、Aの両脚が自然にオレの腰に絡みつく。
まだ半分以上夢の中なのだろう。
後から怒られるかなと思ったけれど、だからと言って今更止められるわけもなく、オレはAと溶け合ってしまいそうなくらい重なって絡み合った。
「ぁぁっ....あ..んっ...」
「Aっ、A....愛してる」
朝から散々Aを啼かせ、乱れさせてしまったオレは、冷静になった途端、
「ご、ごめん、赤ちゃん」
情けない声で謝った。
全く懲りない懺悔に、Aが吹き出した。
「大丈夫。ちゃんとしがみついててねって言っておいたよ?」
「お腹苦しくない?」
「うん」
オレを見る柔らかな笑顔が本当に愛おしい。
全てが大切で愛しくて仕方がない。
だからこそ、いつだって近くまで行きたくなって。
誰よりも。
「じゃあ、もう1回は」
「ダーメ」
ですよね。
オレはこの上なく幸せだった。
*
「ガヤがね、女の子だって言ったらすごい喜んでた」
ユウが帰って来るまでの時間、オレ達はベッドの中で抱き合いながら話をしていた。
「オレ超心配だよ。だって絶対ガヤのこと好きになると思わない?ガヤはあんなにかっこいいし優しいし色気全開だし子供が大好きだし。娘の初恋は絶対ガヤに決まってる」
「パパがヤキモチ焼いてるよー」
Aが自分のお腹に向かってくすくす笑いながら話しかける。
「ヤキモチって言うか心配なの!娘が失恋するなんて可哀想で見たくない」
「過保護」
Aの呆れた視線にもオレは屈しない。
「オレはね、パパと結婚する!って言ってもらいたいし、そのために頑張るよ。でもガヤが溺愛したら勝てる気がしない」
オレにはその未来が手に取るように見える。
「確かに」
非情にも同意するA。
「でも失恋するとは限らないんじゃない?」
Aがさらっとすごいことを言う。
「え?」
「16才と39才でしょ。太輔の40歳なら全然大丈夫だと思うけど」
「ないないない。ないでしょさすがに」
何が全然大丈夫だ。大丈夫じゃないよ。
「そう?」
真顔なAにオレも思わず本気で想像してみる。
確かにガヤは40歳になったってめっちゃかっこいいとは思うけど。
だけどそういう問題じゃないし...。
夢物語だよ、そんなの。
なのにオレの心臓は早鐘にように波打ち、しばらく鎮まらなかった。
Aの血を引く娘。
Aを愛していたガヤ。
それは本当に過去形?
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ayachoko(プロフ) - ましろさん» 初期でこんな面白いのかけるんですか( ; ゜Д゜)サディスティックLOVEを読んだ時から思ってました(*^^*)なんか男性の狡さとか女性の男性受けする立ち振舞いとかわかっててすごいなぁと思ってまして…(’-’*)今のましろさんが書く玉ちゃん、読みたいです(*≧∀≦*) (2017年5月12日 23時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ayachokoさん» ぎゃあ、初期の作品クサすぎて(爆)読まれるの恥ずかしいです;;わ、分かりますか?遥か昔、ちょっとだけ夜の世界にいたことあります(笑)ayachokoさんに言われてまた玉ちゃんも書いてみたいなぁってちょっと思いました♪ (2017年5月12日 20時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - そして玉ちゃんかっこいい!!(*≧∀≦*)ましろさんの書く藤北玉はみんな素敵すぎて選べませんっ←違う 続き気になって止まらなくて、今からご飯慌てて作りますっ(笑) (2017年5月12日 17時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 途中すごく切なかったけど最後には幸せになれて安心しました!ふふっと笑っちゃうシーンもあって面白かったです(о´∀`о)ましろさんは夜の世界で働いてたことがあるんですか?すごくリアルだなぁと思いまして…ましろさんの作品の女の子はみんな素敵できゅんとします♪ (2017年5月12日 17時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - まなさん» わーん、そんなことを言って頂けるなんてとっても嬉しいです;;昔の作品は特殊なのばかりでとても恥ずかしいのですが、最後まで読んで下さってとっても嬉しいです。(*'人'*)(*'人'*)ありがとうございます^^ (2016年11月3日 16時) (レス) id: 92cf8dd04d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2015年11月8日 14時