ETERNAL

優しくしたい T ページ45

これが世間では決して許されない行為だということは、勿論オレだって分かっている。

しかもAに２度目の罪を着せることになることも。

不倫という名の罪を。

だけどもう止められなかった。

今度こそ絶対に離したくない。

オレが全ての罪を被るからどうAだけは赦して下さい。

これ以上Aを苦しませないで下さい。

オレは心の中で何度も祈った。

Aをゆっくりとソファに沈めれば、Aが、大丈夫だよと言うように、オレの背中に両手を回す。

「A、無理してる？本当は嫌？ねぇ本当のこと言って。抱かれたくないならちゃんと言って？オレAが嫌なら一生Aと添い寝だけだって構わないよ。本当だよ」

あの頃だって耐えられたんだから、今だって耐えられる。

傍にさえいられたら。

オレの言葉にAが目を見開き、

「ばか」

オレを強く抱きしめる。

「あの頃のあたしは裕太に抱かれたくなかったわけじゃないの。抱かれたって本当は良かったの。でも裕太の綺麗な心に、優しさに触れる度に、こんな汚い大人が裕太を汚したらいけないって、そう思ったから...」

あなたが幸せになれるようにって思ったから。

「なのにこんなことに──」

「もういいよ」

Aにそれ以上、懺悔の言葉を言わせたくなかった。

後悔なんてして欲しくなかった。

もう、何も考えないで。

オレは激しいキスを繰り返し、Aの服を剥ぎ取っていく。

頭の中で何度も抱いて、自分を慰める行為の度に貫いた身体が、今の腕の中にあるなんて、本当に夢みたいで。

「Aキレイ...」

「あんまり見ないで」

Aが不安そうに呟く。

「帝王切開の痕もあるし」

「それだってキレイだよ」

オレは下腹部の傷を優しく撫でる。

そんなことより。

身体には生々しい傷がないことに、オレは安堵した。

治りかけている薄い色の痣らしき物は腕や腿にあるのを見ると、事件にならない程度に間隔を空けて、暴力を振るっているんだろうか。

くそっ。

夫に暴力を振るわれ、定期的に痛みを刻まれているAに、オレは少しの痛みも与えたくなかった。

力で支配することは絶対にしたくなかった。

「優しくするから」

オレだって男だから、色々な欲求はある。
でも、絶対にAを傷付けたくはない。

オレはAの頭を優しく撫でる。

こんなことでぐらいでAが心と身体に受けた傷や痛みが薄れるとは思わなかったけれど、オレという男のことだけは信じて欲しいと思った。

離さない T→←キスしか T

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