初めまして T ページ18
オレは小ぶりのヒマワリの花を１０本買って、Aの仕事が上がるのを店のカウンターで待っていた。
ヤバイ、すげードキドキする。
今までだって色々と難しい仕事を自分なりにこなしてきたつもりだけど、今夜の仕事ほど緊張することはなかった。
「あー、酒飲みたい」
「ダメ」
速攻でマスターに拒否される。
「あ、ゆうちゃん来たわよ。Aこっち！」
わーどうしよ。ヤバイヤバイヤバイ。
オレは恥ずかしくて、ドアの方に顔を向けられなかった。
がっかりしないかな、オレのこと見て。
「ごめんね遅くなって。裕太くん？初めまして、Aです」
ふんわりと甘酸っぱい香りが漂う。
しつこくない控えめな良い香りが鼻腔をくすぐり、柄にもなく顔が赤らんだ。
「あ、裕太です。初めまして」
顔を上げて消えそうな声で挨拶をすると、目に映ったのは黒のシックなロングドレスにファーのボレロを羽織り、髪を夜会巻っぽくアップにした美しい女の人だった。
「ごめんね。遅くなっちゃったから着替えずにそのまま来ちゃったんだけど」
隣座っていい？
そう訊かれるまで、座るよう促すことすら忘れて、茫然とAに見惚れていたことに気づく。
なにやってんだオレ。
いつの間にかマスターはいなくなっていて、オレは焦りまくる。
「モヒートと、あと何かノンアルコールカクテル作ってくれる？」
隣の席に座ったAが、カウンターの中のバーテンダーに注文し、オレの方を向いた。
「２、３杯飲んだらタクシーで帰るから、飲みすぎてたら止めてね」
「は、はい」
飲んでいる間、互いに簡単な自己紹介程度の話をして、Aの２杯目が終わりそうな頃に、タクシーを呼んで貰った。
後から後部席に乗り込んだオレの耳元に、先に乗っていたAがそっと唇を寄せてきたので、オレはびっくりしてAを見つめた。
結果、更に唇同士が触れそうなくらいの距離で見つめ合う形になってしまい。
動揺したオレは、思わずAの顔を自分の胸に引き寄せ、その華奢な身体を抱きしめた。
わー！なにやってんだ、まじなにやってんだオレ。
すると小刻みに震えているAの肩。
ん？
「A...さん？」
おずおずと声をかければ、オレに抱きしめられたAが肩を震わせ、笑いを懸命に堪えていた。
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ayachoko(プロフ) - ましろさん» 初期でこんな面白いのかけるんですか( ; ゜Д゜)サディスティックLOVEを読んだ時から思ってました(*^^*)なんか男性の狡さとか女性の男性受けする立ち振舞いとかわかっててすごいなぁと思ってまして…(’-’*)今のましろさんが書く玉ちゃん、読みたいです(*≧∀≦*) (2017年5月12日 23時) (
レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ayachokoさん» ぎゃあ、初期の作品クサすぎて(爆)読まれるの恥ずかしいです；；わ、分かりますか？遥か昔、ちょっとだけ夜の世界にいたことあります(笑)ayachokoさんに言われてまた玉ちゃんも書いてみたいなぁってちょっと思いました♪ (2017年5月12日 20時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - そして玉ちゃんかっこいい！！(*≧∀≦*)ましろさんの書く藤北玉はみんな素敵すぎて選べませんっ←違う 続き気になって止まらなくて、今からご飯慌てて作りますっ(笑) (2017年5月12日 17時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 途中すごく切なかったけど最後には幸せになれて安心しました！ふふっと笑っちゃうシーンもあって面白かったです(о´∀`о)ましろさんは夜の世界で働いてたことがあるんですか？すごくリアルだなぁと思いまして…ましろさんの作品の女の子はみんな素敵できゅんとします♪ (2017年5月12日 17時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - まなさん» わーん、そんなことを言って頂けるなんてとっても嬉しいです；；昔の作品は特殊なのばかりでとても恥ずかしいのですが、最後まで読んで下さってとっても嬉しいです。(*'人'*)(*'人'*)ありがとうございます＾＾ (2016年11月3日 16時) (レス) id: 92cf8dd04d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ましろ
| 作成日時：2015年11月8日 14時
