添い寝の依頼 T ページ16
ガヤと出会う２ヶ月前のこと。
「ゆうちゃん、今度の仕事ね、泊まり込みなんだけど大丈夫かしら？金曜と土曜の深夜から朝までだから学業に支障はないけど」
【girls(FAKE)bar sweet】のオーナー兼マスターであり、万屋(何でも屋)業【Dream Night】のやり手社長？でもあるスキンヘッドのオネエが、俺にこんな風にバイトの打診をしてくるなんて珍しいことだった。
いつもならこちらの意見など求めず、マスターの考えで適材適所な仕事を決めてくれるから。
「ほんと言うとね、高校生に深夜業務はさせたくないの。こんな人様に言えない仕事してるあたしが言うのもなんだけど。うちには１８歳以上のバイトもいるわけだしね」
それはオレよりも前から働いている大学生の赤西さんや亀梨さんのことだ。
「でもね、今回の仕事、ゆうちゃんが適役な気がするのよ」
珍しく歯切れの悪い物言いをするマスターに、
「オレが適役ってマスターが思う仕事なら、オレ受けます。泊まり込みは別に平気だし」
あっさりと引き受けた俺に、マスターはほっとした表情を見せた。
「で、泊まりってことは──」
「ああ、アレはないから安心して」
オレの言おうとしたことをすぐに察知したマスターが首を横に振る。
「じゃあ何をするんですか？」
身体を重ねないなら、泊まりで朝まで一体何をする依頼なんだろう。
戸惑うオレに、
「女嫌いのあたしが珍しく贔屓にしてる女の子からの依頼なのよ。不眠症の子でね、要は添い寝の依頼なんだけど」
マスターがそう言って資料を持ってくる。
「添い寝...」
バイトを始めて２ヶ月経つオレでも、全く予想もしなかった依頼に驚く。
「添い寝して眠らせればいいってことですか？」
「そういうこと」
子供かよ。
けれど、まさか本当の子供がそんな依頼してくるはずがなく。
てか、添い寝の適役がオレってどういう理由だなんだ。
むしろそっちの方が気になったけれど、マスターは持ってきた書類をオレに見せて、
「この子の経歴、くせ、好み、好きなもの、タイプ、最低限なことはいつものように頭にに叩き込んでおいてちょうだいね」
そう言って、
「本当に深夜業務、ごめんなさい」
もう一度申し訳なさそうに頭を下げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ayachoko(プロフ) - ましろさん» 初期でこんな面白いのかけるんですか( ; ゜Д゜)サディスティックLOVEを読んだ時から思ってました(*^^*)なんか男性の狡さとか女性の男性受けする立ち振舞いとかわかっててすごいなぁと思ってまして…(’-’*)今のましろさんが書く玉ちゃん、読みたいです(*≧∀≦*) (2017年5月12日 23時) (
レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ayachokoさん» ぎゃあ、初期の作品クサすぎて(爆)読まれるの恥ずかしいです；；わ、分かりますか？遥か昔、ちょっとだけ夜の世界にいたことあります(笑)ayachokoさんに言われてまた玉ちゃんも書いてみたいなぁってちょっと思いました♪ (2017年5月12日 20時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - そして玉ちゃんかっこいい！！(*≧∀≦*)ましろさんの書く藤北玉はみんな素敵すぎて選べませんっ←違う 続き気になって止まらなくて、今からご飯慌てて作りますっ(笑) (2017年5月12日 17時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 途中すごく切なかったけど最後には幸せになれて安心しました！ふふっと笑っちゃうシーンもあって面白かったです(о´∀`о)ましろさんは夜の世界で働いてたことがあるんですか？すごくリアルだなぁと思いまして…ましろさんの作品の女の子はみんな素敵できゅんとします♪ (2017年5月12日 17時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - まなさん» わーん、そんなことを言って頂けるなんてとっても嬉しいです；；昔の作品は特殊なのばかりでとても恥ずかしいのですが、最後まで読んで下さってとっても嬉しいです。(*'人'*)(*'人'*)ありがとうございます＾＾ (2016年11月3日 16時) (レス) id: 92cf8dd04d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ましろ
| 作成日時：2015年11月8日 14時
