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裕太 F ページ13

そのバイト内容は俺の予想を遥かに越えるもので。

俺はどう言っていいのか分からず、ただ呆然とマネキンの言うことを聞いていた。

こんな世界が実際にあるなんて驚きだった。

守られた平和な世界で、必死にもがき足掻いてる自分がガキだなと思うくらいに。

マネキンは煙草の煙を吐きながら、

「何も難しく考えなくていいのよ。嫌ならすぐ辞めて構わないしね」

そう苦笑いし、更に奥の部屋に向かって声をかける。

「ゆうちゃん、ちょっと来て」

「はーい」

すぐにのんびりとした返事が聞こえ、姿を現したのは長身で肌が白く、飄々とした雰囲気を纏った若い男だった。

「こんにちは」

笑うと出来る目尻と口元の皺が、彼の笑顔をとても柔らかく人懐っこく見せている。

「初めまして。藤ヶ谷と言います」

声をかけられ、俺は慌てて椅子から立ち上がって会釈した。

「玉森 裕太です」

裕太。

さっきAが言っていた男だろうか。

『裕太はありのままが魅力だから』

確かそんなようなことを言っていた気が。

マネキンは裕太を俺の隣に座らせると立ち上がった。

「ゆうちゃん、太ちゃんに色々と教えてあげて。あたしちょっとフロアの方を見てくるから」

それから俺の方を見て、

「ゆうちゃんは4ヶ月前からバイトをして貰ってるんだけど、とてもいい仕事をしてくれる優秀な子よ。分からないことがあったら何でも聞くといいわ。そうそう、あなた達同じ年みたいし、気が合うと思うわよ」

そう言って笑った。

「え、っと、藤ヶ谷くん、だっけ?」

「同じ年なんだろ、呼び捨てでいいよ。しかも俺の方がバイトするなら後輩になるわけだろ?」

「じゃあオレのことも、呼び捨てでタマって呼んでよ」

何から切り出せばいいのか良く分からずに困っていたのだろう。

俺の言葉に、玉があからさまにほっとした表情を浮かべて微笑んだ。

一見人懐っこそうに見えるけれど、本当は違うのかもしれないと俺は思った。

玉の説得 F→←バイトの話 F



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ayachoko(プロフ) - ましろさん» 初期でこんな面白いのかけるんですか( ; ゜Д゜)サディスティックLOVEを読んだ時から思ってました(*^^*)なんか男性の狡さとか女性の男性受けする立ち振舞いとかわかっててすごいなぁと思ってまして…(’-’*)今のましろさんが書く玉ちゃん、読みたいです(*≧∀≦*) (2017年5月12日 23時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ayachokoさん» ぎゃあ、初期の作品クサすぎて(爆)読まれるの恥ずかしいです;;わ、分かりますか?遥か昔、ちょっとだけ夜の世界にいたことあります(笑)ayachokoさんに言われてまた玉ちゃんも書いてみたいなぁってちょっと思いました♪ (2017年5月12日 20時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - そして玉ちゃんかっこいい!!(*≧∀≦*)ましろさんの書く藤北玉はみんな素敵すぎて選べませんっ←違う 続き気になって止まらなくて、今からご飯慌てて作りますっ(笑) (2017年5月12日 17時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 途中すごく切なかったけど最後には幸せになれて安心しました!ふふっと笑っちゃうシーンもあって面白かったです(о´∀`о)ましろさんは夜の世界で働いてたことがあるんですか?すごくリアルだなぁと思いまして…ましろさんの作品の女の子はみんな素敵できゅんとします♪ (2017年5月12日 17時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - まなさん» わーん、そんなことを言って頂けるなんてとっても嬉しいです;;昔の作品は特殊なのばかりでとても恥ずかしいのですが、最後まで読んで下さってとっても嬉しいです。(*'人'*)(*'人'*)ありがとうございます^^ (2016年11月3日 16時) (レス) id: 92cf8dd04d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましろ | 作成日時:2015年11月8日 14時

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