君が愛を教えてくれた (ページ3)

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補講初日終了ページ3

補講初日が終わって家に帰る途中、携帯が鳴った。

朱里からのＬＩＮＥ通知。

『バイト終わったよー。ニカの家に行ってもいい？』

『いいよ』

オレは短い返事を返した。

宿題教えてもらおー。

ついでに飯も作ってもらおー。

母親は夏休みが始まると、単身赴任の父親のところへ行ってしまったので、オレは独り暮らし満喫中だった。

相変わらず仲いいよなぁ、母ちゃんと父ちゃん。

ま、いいことだけどさ。

オレが家に着くのと、朱里がオレの家に辿り着いたのはほぼ同時だった。

普段制服姿ばかり見てるからか、私服の朱里にしばし見惚れてしまう。

髪をアップにしてうなじを見せて、真っ白なミニワンピを着ている彼女はめちゃくちゃ色っぽく大人っぽかった。

朱里がオレを見て恥ずかしそうに笑う。

艶めく唇で化粧をしていることに気づく。

もしかしてオレ誘惑されてたりして。

玄関に入ったオレ達はキスをした。

朱里から香る、やけに甘酸っぱい匂いにクラクラした。

うー、ヤバイ。
これ以上はヤバイ、かも。

「朱里、宿題一緒にやって！お願い」

朱里の肩を泣く泣く引き剥がし、オレは頭を下げてお願いした。

「ついでに飯もお願い！」

「はいはい、急にどうしたの？勿論そのつもりで来たんだよ。カレーの材料買ってきたし」

朱里は可笑しそうに笑って、手にしていたレジ袋を持ち上げた。

朱里に宿題を手伝って貰った後、カレーをごちそうになったオレはキッチンで洗い物をしている朱里をソファーから見つめていた。

ほんとイイ女だよなぁ。

美人で勉強も料理も出来て明るく優しいとか非の打ち所のない、誰もが羨むできた彼女。

あー抱いちゃおうかな。

何かムラムラしてきたし。

だってだって、誰もいない家で夜２人きりってことは、つまりそういうこと、だよね？

北山の言葉を思い出す。

『軽はずみなことして傷付けるなよ』

軽はずみ、になるのかな、やっぱこれって。

気付くと、皿を洗い終えた朱里が俺の隣にやって来て腰を降ろした。