あなただから ページ20
「でもね、ニカちゃんはひよりに似てるあたしを好きだと思い込んでるだけだと思う」
最後に言った日向の台詞が思い切り胸に突き刺さった。
「それが日向の結論なの?」
やっとの思いで声を出した。
「だからこの恋は勘違いだから諦めろって?ひよりに似てるから好きになっただけだから目を覚ませって?それが日向の本音なの?」
「ニカちゃん?」
「ひよりと日向、全然似てねーし。顔は確かに似てるけど、あとは何も似てない。ひよりに似てるからって理由で、オレが3ヵ月も日向のこと口説いてると思われてたならすげーショック、まじで」
何だか泣きたくなってくる。
毎日保健室に行ったのは日向と喋るのが楽しかったから。
日向の顔を見るだけで嬉しくなるから。
日向のことが好きだからいつだって纏わりついてたのに。
毎日毎日ばかみたいに。
ひよりのことだって勿論あの時は好きで好きで仕方なかった。
いや今も好きな気持ちは変わっていない。
でもひよりとオレの生きてる世界はもう違う。
決して交わらないし、決して寄り添えない。
触れられないし、言葉を交わせない。
寂しくて、辛くて、悲しくて、どうしようもなかった時、それを和らげていったのは他でもない時間だけだ。
それが生きてるってことでしょ。
「ひよりのことは今でも好きだよ。でもオレは今、日向が欲しい。日向の傍にいつもいたいし、話したいし、触れたいし、日向のことが大好きなの。すっげー好きなの」
ちゃんと日向に理解って貰えるだろうか、届くだろうか。
こんな気持ち、本当にひより以来なんだよ。
ひよりの代わりに好きになったんじゃない。
あなたを、あなたのことを好きになったんだ。
オレは日向の視線から目を逸らさなかった。
日向が顔を歪ませる。
「ニカちゃん、朱里ちゃんは...」
「オレは朱里を投げ出したりしないよ。絶対に助ける。大事な友達だから」
オレの言葉に日向は、
「皆がニカちゃんのことを大好きなのが本当に分かる」
そう言って、オレのことをそっと抱きしめた。
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作者名:ましろ | 作成日時:2015年10月13日 16時