本気の告白 ページ18
オレが朱里の見舞いに行って分かったことを保健室にいた朱里に報告すると、朱里はしばらく何かを考えているようだった。
「北山先生も朱里ちゃんの家庭環境を心配していたし、早急に手を打った方がいいかも...」
「施設は難しい?」
「まだ未遂で事実がなく、両親共に否認するとなると厳しいかも...。でも勿論、動いてみるね」
「ねぇ、日向」
オレは大きく深呼吸をした。
「オレ、朱里をオレの家で匿おうかと思ってるんだよね。公的機関もあいつの家も大人も誰も頼りになれなかったら、の話なんだけど」
「ちょっと待って...ニカちゃん」
「でも朱里にそれを言ったら、日向のことをちゃんとしてからもう一度言ってくれって言うから、だからね」
「ニカちゃん、ちょっと待っ──」
日向は何かを察知したのか、オレの言葉を遮ろうとしたが、オレは負けなかった。
「オレ何度も言ってるけど、日向が好き。大好きだよ。だからいい加減茶化さないではぐらかさないで本気で答えて」
オレと付き合って下さい。
一気にそこまで言い切って、日向を恐る恐る見つめた。
「こんな時に...」
「こんな時じゃなきゃ、どうせ本気で聞いてくれないじゃん」
オレの精一杯の反撃に、日向が黙りこむ。
「立場が障害になってるなら、卒業するまで待てって言うなら待つよ、オレ。でも気持ちはもう待てない。今知りたいの。日向はオレを正直どう思ってるの?」
沈黙が恐ろしいほど長く感じる。
ずっと曖昧な関係のままなんて耐えられないと思っていたけれど、いざその時になってみると、はっきりとした答えを知るのも怖かった。
「ニカちゃん」
やっと日向が口を開く。
心臓がぶっ壊れそうだった。
「ここで話すことじゃないから。仕事が終わったら車で家の前まで迎えに行くから出てきてくれる?」
予想外の陽向の言葉にオレは、
「あ、うん」
間抜けな返事しか返せなかった。
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作者名:ましろ | 作成日時:2015年10月13日 16時