【刀剣乱舞】ﾁｬｱと鳴く鶯に成ったと思ったら女だったんですけど【勘違い】 (ページ33)

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三十一話ページ33

A視点

包帯を巻き直して痣などにも再手当して貰い(胸とかには自分で巻いた)、俺は昨日の夜に続いてまた持ってきて貰った朝食を食べる。

普通と比べると、朝食にしてもやや軽めの食事だ。身体の事を配慮して量を減らしてくれているのだろう。

…………なんか、至れり尽せり過ぎて最早怖い。

然し、これは完全なる善意っぽいので有難く厚意を受け取っておこう。

だがもう足を向けて寝れないな。

俺がそんな事を考えながら朝ご飯を美味しく頂いた後、ちゃんと薬をごっくんしてから熱を測られたりする。

「体温は低めだが熱はねぇな。傷は痛まねぇか？」

『ああ、何処も痛まない』

「そりゃ良かった。薬だけはちゃんと飲めばもう明日からは好きに動いて良いぜ」

『そうか、良かった』

これは今知ったのだが、俺は鶯丸になる前の気がから本来動いて良い状態じゃ無かったらしい。

俺は色々と慣れてたので気付かなかったが、怪我を調べた結果酷い所だと骨にひびが入りかけてたりしてたらしい。そして変な感じにくっつこうとしてたらしい。

そして薬研ニキがそんな状態で放って置くなんてあり得ないって顔してた。俺は死ぬ程驚いた。

だがまぁ、よく考えたらそりゃ男子高校生が毎日何回も本気の殴り合い蹴り合いしてたらそうなるわ。

兄貴も同じような状態だろう。ざまぁ。然し慣れとは怖い。今度からは気を付けよう。

俺が心の中で反省していると、ニキが云う。

「朝餉の皿をまた後で受け取りに来るって燭台切が云ってたぜ。

あと、一兄も来るっつってたな。瀕死のお前さんを運んだのは一兄だしな、色々と心配なんだろうよ」

えっ。

えっ？

心の中が疑問符とクエスチョンマークだらけになった。

薬研さんアンタ今何つった？

えっちょっ一兄？？それって一期一振のこと？？弟に関する事になると急に暴走すると噂のあの一期さん？？

その人が弟でも何でもない俺の心配して見舞いにくるの？えガチで言ってる？？そんな訳ないよね？？

えっ俺何にもしてない。ていうか平野と薬研ぐらいにしか関わってない。なのに何で来るの？？

あれか？寝込んでることを良い事に平野を占領してたから？？エッ待って本当に待って何で来るの？？

俺は驚きの余り、無情にも颯爽と去って行く薬研を呆然と見送る事しか出来なかった。何も質問できなかった。

因みに、この時の俺に本当に心配して来てくれているという選択肢は頭になかった。当たり前である。