【刀剣乱舞】ﾁｬｱと鳴く鶯に成ったと思ったら女だったんですけど【勘違い】 (ページ31)

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二十九話ページ31

A視点

鏡を見ながら、何で俺こんなに表情筋硬くなったんだろうか………考えるまでも無くこの身体の所為だな。という如何でも良い事を考える。だって変化なんて分からんし。

あ、でも、心なしか目に元々無いハイライトが更に暗くなっている様な………でも酷いってレベルではないよな、これ。

俺は酷いと云われた理由が全く分からず只々鏡と睨めっこをしていると、大包平が云う。

「随分と魘されていたが。」

『嗚呼、まぁ、そうだな。余り良いとは言えない夢だった』

「………そうか。」

こういう時何も聞かないの本当に助かります。

だって小さい頃の事で、さらにやんちゃしたお仕置で泣くどころか漏らしまでした事を夢に見て魘されてたとか恥ずかし過ぎだろ。

俺は悪夢と寝起きイケメンのダブルパンチでどことなく陰鬱な気分になり、溜息を押し殺し俯く。

そして大包平が赤くなった理由を知った。

汗の所為でシャツが肌に張り付いている。因みに、俺は下着など着けていない。

………えっと、なんかごめんね？

同じ男として同情しつつ心の中で謝る。

『大包平、お前の上着を貸してくれ』

「あっ、ああ………取ってくるから少し待って居ろ」

『もう其れで良いだろう』

「はァッ！！？？駄目だ！取ってくる！！」

『！？あ、ああ。分かった』

なぜ急に怒りだしたんだ。どっちかというと寧ろ萌えるだろ今のは。

それともこれすら恥ずかしがったの？んな馬鹿な中学生かよ。

俺は色々戸惑いつつも発言について頷き、待つこと数分。

大包平が上着を取ってきてくれたので俺は着替える。

後ろ向いとくだけで良いのに、大包平は態々部屋の外に出た。なんというか、お堅い男なのだろうか。

因みに大包平の服を着た感想は、まぁ兎に角ぶかぶかだと云う事だ。

『これで良いか？しかしお前の服は大きいな』

「ん゛ん゛………それはそうだろう」

『なんだその声は………まぁ、大きさに関して、お前は元々大きいからな。

私も女の中では大きい方の筈だが………流石に無理か。

然し下は流石にずり落ちて来るな。光忠のを借りておくか』

今の俺の服装は、上が大包平のジャージ、下が光忠のズボンとベルトである。

何ともちぐはぐだ。

そんな事を思いながら袖を捲って手を出していると、大包平が「昨夜、主に服の事を頼んでおいた。今日の昼に一式届くそうだ」とのこと。

流石、大包平は仕事が早いなぁ。と言ってから感謝の言葉を述べる。