【文スト】転生以下略したら太宰治の姉でした。

悩みが三つ ページ5

A視点




私が黙々と本をとんでもないスピードで読み続け、そして伝記の本を全て読み終える。

森さんのお経の様な愚痴を聞き流しながら暇を持て余して、遂にクソ面白く無さそうな医学書まで読み漁り始めた頃。いや伝記の本も面白くなかったけど。




そう言えばさっきから弟が抱き着いて来ないなぁ、とやっと顔を上げた。

すると弟が怪しげな二つの薬を混ぜて飲もうとしていたところを目撃してしまった。




私は何時もの事とは言えど流石にギョッとして一瞬固まった後、勢いよく立ち上がって本を置き、弟の傍まで駆け寄った。

そして怪しげな薬品を混ぜた物をふんだくる。




『何をしているのかなこの私の弟君は！』



「姉さんが構ってくれないし、暇だったから死のうと思って」



『いやヤンデレた彼氏じゃないんだから……本当に心臓に悪い。構ってあげるからやめてね。』




小さな子供に言い聞かせるように頭を撫でながら言えば、弟はにっこりと笑って頷く。




「姉さんが構ってくれるなら最初からこんなことしないよ。僕は良い子だから。

ねぇ、だからちゃんと眼を離さないでね。あと一時も離れないでね。姉さん。」



『うん……流石に其れは姉さんには荷が重いかな。うん。

あと話変わるんだけど流石にそろそろ風呂は別々で入らない？もうそろそろ大人になる時期なんだから。』



「やだやだ！そんな事するなら風呂場で入水してやる！」



『………………』




頭を抱える。どうしたらいいんだ。

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