【文スト】転生以下略したら太宰治の姉でした。

悩みが十八 ページ20

A視点




なんとか弟を連れて中也さんの元へ辿り着く。屋敷がよく見える裏手の林だ。




アラハバキの話を聞く相手、蘭堂さんの屋敷は半分ぐらいものの見事に吹き飛んでいた。

見事な吹き飛びっぷりである。瓦礫が残り火を灯し灰色の煙を燻ぶらせていた。

屋敷の周りには野次馬代わりに五・六人、銃を武装した人間がいる。




原作小説通りとはいえ思わず溜息を吐く。




この後の展開をすべて知っている身としては、もう蘭堂さんぶん殴って一瞬で片をつけたい気分だ。

いや蘭堂さんは簡単にぶん殴れる雑魚じゃないけど。そんなことして原作崩壊したら怖いから結局しないけど。ちょっとした比喩表現である。




いやだってもう……この二人の引率大変過ぎて……

この二人のうち、どっちか一人ずつだったならまだマシだっただろう。

いやそれでも大変だっただろうけど、それでもマシだった筈だ。




でもよりにもよってこの二人一緒に引率！この二人の相性最悪なのに！

例えるならばキノコとタケノコ！平氏と源氏！！もうやだおうちかえる！！




しかしそんなことは許されないので、私の一歩前で話す二人を黙って見つめるのに徹する。




「始まってるね。派手な爆発痕だ。あの爆発のど真ん中に入れて貰えれば、苦しまずに吹っ飛んで死ねたんだろうなぁ………」



「あーはいはい。後で幾らでもぶっ殺してやるから、今は仕事に集中しろ。」




蔑んだ目で中也さんが弟を見るのを見て胃に痛みが走る。胃薬買おうかな。

もうやだ………めっちゃ仲悪いし………誰かこの立場変わって………

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