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唐突な閑話休題・1 ページ39

NO視点




豪奢な家具を侍らせ、酒を傍らに語る若き紳士と身なりの良い男。




男は端的に言えば名家の出身で、何かに不自由した事は無い。

望めば手に入るし、そもそもそんな感情が滲む前に与えられてきた。




恵まれた環境で育ってきた男は、だからこそ侮蔑の念を滲ませて、無言ながら雄弁に語る。

女が何だと。

男は少々女を侮蔑して見る差別的な思考をしていたのである。




そんな男の前で。酷く興奮して口を動かし言葉を紡ぐ若き紳士は、とある女性について語っている。




内容は殆どその美しさや魅力について。

男には到底理解できない話だった。話は殆ど言葉として男の脳には届かず、ただの音として耳の内で溶ける。




若い紳士と男は友人同士であった。




そして男は紳士が女なぞに傾倒する人間ではないことを知っていたから、若しくは思い込んでいたから、一時の気の迷いだろうと思った。

そして一時の迷いだろうと女なんぞに傾倒するとは、可哀想に、とすら考えた。

だから男は、その思いを心の内に留めず言葉にした。




「ウム、まぁ、俺はお前の趣味に口を出すつもりはないがね。いや、なかったが正しいか。

そんなものは気の迷いだろう。直ぐに忘れてしまった方が身のためだよ。」




と、そう言ったのだ。




すると紳士は酷く怒った。烈火の如く、まるで男が親の仇だと思っているように。




しかし男はそれに気分を害したりはせず、ああ重症だ、と憐れんだ。

どこぞの売女に誑し込まれたのだろう。素直な奴だったからな、可哀想に、と。




少し経つと紳士の怒りも少しばかり薄れて、冷静な思考を先端取り戻した。

そしてその部分は考え、紳士は素晴らしいことを思いついた顔で考えを披露した。




「信じられないのなら会えばいい。会えば君にもわかるだろうからね。彼女のことが。

ああ、君は本当に運がいい。彼女は今日、ウチに泊まっているんだから。彼女に会えるんだ。」




これに男は隠しもせず眉を顰め、首を横に振った。

理由は簡単である。売女などに会うのは御免だったからだ。

そしてそんな女を家に泊めている紳士には、もう少し注意をした方がよいのではないか、とも思った。




しかし男は紳士の熱心な説得に負け、女に注意も必要だろうから、と理由をつけて重い腰を上げた。

それが男の運命を変えるとも知らずに。

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(プロフ) - 終わっているですと!? (2月20日 0時) (レス) @page48 id: c840862e70 (このIDを非表示/違反報告)
くまさん - お願いします!!!終わらないでください!超好みの小説なんです〜! (12月10日 1時) (レス) @page48 id: 888b8ee33d (このIDを非表示/違反報告)
メープル - こういうのホンっと好きです!続きをお願いします!!!! (12月9日 14時) (レス) @page48 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - おわた? (12月2日 10時) (レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
日向 - 終わっ…て…いる…? (9月8日 16時) (レス) @page48 id: 8f5d606c19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐教信者 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年4月20日 9時

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