しっ ページ6
蔵掃除を始めて5時間程度
ある程度片付き、後はほんの少し手を加える程度までとなった蔵を見て少し満足
「こんなに綺麗になるんじゃやりがいがありやすねぇ」
「その調子でA姉さんの部屋も片付けたらどうですかぃ」
「無理な話でさぁ」
そんな他愛もない会話をしていると
今まで気づかなかったが。奥の方に、埃をかぶった段ボール箱が
総悟と二人でそれに近寄り、開けてみる
まぁ、埃をかぶっているのだから、開けようとすれば埃が舞うわけで
「ゴホッ」
「! 大丈夫ですかぃ、Aねぇさん」
それを吸い込んでしまった私は、咳をする
ミツバの事もあり、総悟はこういう事にはすぐ反応し背中をさすってくれるが
「大丈夫だ、もうそこまでやわじゃねぇんでね」
そう返して、箱の中を覗く
「「・・・」」
そこに入っていたのは、宴会で使用されるコスプレ(毎回強制で私が着ている)
メイド、ナース、その他諸々…
「見つけた機会に、捨てやすか」
「何言ってんでさぁ、とっておきやすよ。なんなら今着てみてくだせぇ
知ってるんですぜぃ?この衣装が以前きつくなってから体重とかに気を配ってるの」
その総悟のカミングアウトに、私は笑顔で振り返る
「総悟…忘れなせぇそのことは」
「わ、解りやした」
その返事にならいいでさぁ、など呟きながら箱を抱える
「あ、俺が持ちやすよ」
「いや、運動不足ですしこれぐらいはやらねぇと。体が鈍るから構いやせん」
そう言いながら、蔵を出ると
ちょうど入ろうとしていた副長と激突してしまう
「いたっ」「いてっ」
その拍子に転んでしまい、箱の中身がぶちまかれる
総悟はあーあと言いながらも、楽しそうに見つめている
「おい、前ぐらいちゃんと確認しろ…って、何でこんなものここから出ててるんだ」
その副長の反応に、私はこっちが知りたいでさぁなどと返しながら立ち上がろうとする
「ほらよ」
それに、先に立ち上がっていた副長が手を伸ばしてくれる
「ありがとうごぜぇやす」
手を取り、立ち上がってから散らばってしまった衣装をしまう
そのまま、この衣装は他のごみと共に
他の隊士達には知られることも無く燃えるゴミに出されたのであった
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風狐 蓮翠(プロフ) - 日波輪廻さん» ありがとうございます!お星さままで…感謝です! (2017年2月21日 21時) (レス) id: 15fc092f3d (このIDを非表示/違反報告)
日波輪廻(プロフ) - 読みました!とても面白くて笑っちゃいました!星も一番右を押しました! (2017年2月21日 21時) (レス) id: 2dbf9d3e38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風狐 蓮翠 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月18日 16時