じゅーご ページ17
「…」
何を言えばいいのか、本当にそれがわからなくって。私は黙ったままうつむく
「Aちゃん、どうしたの?」
そんな私に、優しく声をかけてくれるミツバ
やめてくだせぇよ、心が痛くなりまさぁ
「ん?いやぁ、体調がよくなったみたいで。安心したらちょっと目から汗が…」
笑いながらそう言って、目尻を拭うふりをする
涙なんて、一つも流れていないんですけどね
「私は特に話す事もないし、そろそろ帰りやす。仕事が残ってるんでねぃ」
「あれ?お前仕事「あ"?」そ、そらがあおいな〜」
乾いた笑みを浮かべる旦那を放っておき、ベッドに向かって話しかける
「じゃ、とっとと帰りやすよ」
「いえ、俺にはまだ仕事があるので」
ベッドの下から声がいきなり聞こえてきて、私たち三人はそろって覗き込む
「はっ!しまった…!」
「何してるんでぃ、ザキ…」
気が付いてはいたのだが、こうやって自分からばれに来るとは思いもよらなかった
なら、私が何を聞いてもかまいやせんよね…?
____
病院の屋上で、私と旦那はザキを挟んで話を聞き出してやした
「あの女は知ってんのかよ」
「知りやせんよ、ミツバは…体の負荷になっちまったら困りやす」
「それに副長が誰にも言うなと」
言ってんじゃねーかよ俺に。などと話している旦那たちのことは頭から追い出し、私は考える
せめて、ミツバが倒れるまでは幸せでいてほしいのに
私には、そのために何をすればいいのかがわかりやせん
あのくず野郎を捕まえなければいいのかもしれやせんが、真選組がそれを許そうとはしやせんし
首覚悟で…いや、そこまでする必要もないと思いたいでさぁ
総悟が、どう動いてくれているかですねぃ
「何にもできねぇ私に無性に腹が立つ…っ」
やり場のない怒りのようなものを、頭をかき回すことでどうにかしようとしながら
小さく舌打ちをする
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風狐 蓮翠(プロフ) - 日波輪廻さん» ありがとうございます!お星さままで…感謝です! (2017年2月21日 21時) (レス) id: 15fc092f3d (このIDを非表示/違反報告)
日波輪廻(プロフ) - 読みました!とても面白くて笑っちゃいました!星も一番右を押しました! (2017年2月21日 21時) (レス) id: 2dbf9d3e38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風狐 蓮翠 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月18日 16時