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学園長)
彼女は昨夜来たばかりですからね……そんな事は無いと思いますよ?我々は先ず、彼女の記憶を戻してあげる事を当面の目標としています。何故、あの様に姿勢正しく所作の美しいのか。所以…出自を。
レオナ)
なら、問題ねぇな。俺の番にする。
ヴィル)
待ちなさい!彼女には私と、一緒に華やかな世界で生きるのよ。
リドル)
何を、お言いだい?彼女にはボクのサポートをして貰うよ?
アズール)
お待ち下さい!彼女には我がラウンジのマスコットキャラクターとして盛り上げて頂きます!
カリム)
俺が魔法の絨毯で世界中連れていくんだ!
イデア)
彼女は人目に触れさせちゃダメでござる。
マレウス)
僕の婚約者を漸く見付けた。邪魔をするな。
学園長)
皆さん、私の話を聞いていましたか?とにかく、先生方か私に話を通してからにしてくださいね?私の私設第一秘書に………
ヴィル)
あんた!
学園長)
いえ、何でもありません。とにかく、彼女の記憶を戻してから彼女の帰る道を探す。そう言う事ですから。よろしいですね?では、解散です!ごきげんよう。
各寮長は各寮に戻ると、各々の寮生に事の次第を伝えた。
ーミヤビの部屋ー
ミヤビ)
何だろう……時々、記憶がない時間がある。私に何が起こってるの?
私は不安に包まれながら制服を脱いで部屋着に着替えるとシャワーも浴びずにベッドに横になった。と、同時に左手を翳した。
ミヤビ)
これは……何時から私の指にあるんだろう?
指から指環を抜こうとしたけれど、少し緩く回るけれど取れない。
ミヤビ)
綺麗な緋赤(あか)色だから、まぁ良いんだけど。
私の部屋は職員室の奥にある。この時間は皆さん、自室で寛いでいるみたいで職員室のある棟は、とても静かです。少しの恐怖を感じていた私は、ベッドから起き上がり窓を開けた。充満している妖艶な空気を放出したとも気付かずに………
ーマレウスsideー
僕は相変わらず夜の散歩をしていた。この時間の静寂さが好きで学園のガーゴイルを観察するには邪魔が入らないから、ゆっくり出来る。
先生方のいらっしゃる棟のガーゴイルを見ていた時、とても甘美な香りが僕の鼻腔を掠めた。
マレウス)
この様な季節に匂わせる花など、あるのか?
僕は、その香りのする方へ近寄って行った。すると月灯りの窓辺に噂の彼女が見えた。
月灯りに照らされた彼女は、とても美しく妖艶だった。
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作者名:iceblast5 | 作成日時:2020年12月2日 2時