悪魔学校の蒼い牙 (ページ2)

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カルエゴ外伝ページ2

悪魔学校バビルス

若き才能を募って能力を高め、優秀な悪魔に育成するための気高き学舎──
…には程遠く

荒み混沌
喧嘩と破壊が校内にはびこる

圧倒的〝無秩序空間〟

「８件目だ」

堂々と物言いをするこの男こそ、入試首席で「4(ダレス)」の〝ナベリウス・カルエゴ〟である

「バビルスに入学して一カ月…！上級生に８回もカラまれた。しかもどれもわけの分からない因縁をつけられて…！！遺憾だ！不快だ！！実に腹立たしい…！！」

「カルエゴ君目立つからなぁ。足音大きいし、目つき悪いし」

「オイ」

大抵の者が恐れて話しかけることすら出来ないカルエゴにこんな軽口を叩いているのは、後の空想生物学教師〝バラム・シチロウ〟である

『首席だからじゃない？悪魔って位階(ランク)上の奴侍らせれば強くなれると思ってる節あるし。なによりカルエゴ君生意気だし！』

「オイ！」

『何で私には怒鳴るの…』

カルエゴに軽口を叩くどころか軽くディスるこの女は、後の問題児クラスの副担任を務める〝アスタロト・A〟である

数年後に教師を務める彼らもまた、バビルスの生徒であった

今はカルエゴの相談(？)を二人が受けているという形になる

「カラまれたって…何か心当たりないの？」

『ムカついて噛みついたとか』

「放し飼いの犬か俺は。よほどのことがなければ自分から手は出さん。つまり…人違いだ。
　黒髪クセ毛…女か男か分からない服…２本のツノ…」

「『君じゃん』」

「違うと言っとるだろーが！俺は辻斬りなどアホなことせんわ！！」

どうやらカルエゴの相談(？)は辻斬り番長と間違われて上級生に喧嘩を売られることらしい

彼の場合実力がありすぎるので、いくら上級生といえど負けることはほぼあり得ないのだが

「アホ番長め…早急に見つけ出してやる…！！」

『君、大抵の上級生には勝てるんだから別によくない？』

「よくない！！」

「見つけてどーするの？」

「髪と服を狩る」

「『辻斬りじゃん』」

辻斬りなどアホなことはしないと言っている割にはやろうとしていることが辻斬りそのものという矛盾を２人で指摘するが、カルエゴは見事にスルーした

「自分が髪型を変えるという発想は？」

「なぜ俺が譲歩せねばならん？」

『頑固オヤジみてー。……イダダダダダダ！！つむじ押さないで！ハゲる！ハゲる！』

「ハゲろ」

『はッ！？』