26.誰なの。 ページ26
「どうすんの？」
「えー...」
「オレ同伴でも良いみたいだけど」
「え？そうなの？」
メールを読むと、確かに二宮も一緒に...って旨が書いてある。
「もしかしたら、仕事のプラスになるかもしんないし」
「うん」
「逆に悪の帝王に丸め込まれるかもしんないし」
「うわ」
「でもどっちにしても、オレが居れば対応致しますよ」
二宮はそう言いながら仕事用のスマホを出し、私のスケジュールをチェックし始めた。
そして「この日なら行けそうですけど」と、候補に上がってる中の一日を指さす。
「じゃあ、せっかく誘って下さったのにお断りするのも心苦しいし」
「了解」
「お返事しときますねー」とタブレットの上で二宮の指がパタパタ動く。
「櫻井王子は何を食べさせてくれるんでしょーねー」
「あ、そうだよね！何だろう！フレンチかなー、中華とかも良くない？」
「食い意地、少しは隠せや」
・
家に帰り、雅紀が作ってくれたご飯を食べてから私は雑誌を開いた。
お食事するんだし櫻井社長の人となりをちゃんと知っておく必要があると思ったから、彼が載ってる物を何冊か二宮に用意して貰った。
ソファに座って読んでると、お風呂上がりの雅紀が「何読んでんの？」と私の隣にポスンと座る。
石鹸の匂い。
バスタオルで頭をガシガシ拭きながら、私の手元を覗き込んで来る。
「誰？これ」
「んー？HOTEL SAKURAIの社長さん」
「えっ！？俳優さんじゃないの！？」
ひょえーって雅紀が目を真ん丸にした。
それもそのはず、1ページ丸々使ってある櫻井社長の写真はその辺の俳優さんよりも格好良いかもしれない。
「この社長さんのお勉強してんの？あ、ライバルの研究？」
「ライバルだなんて烏滸がましいよ。ちょっと櫻井社長の事を知っておかなきゃいけなくなっただけ」
「どうして？」
「お食事に誘われてね」
頭をガシガシしてた雅紀の手がピタリと止まった。
「お食事？」
「うん」
「デート？」
「アハッ、違うよ」
「ホントに？Aちゃんの彼氏じゃないの？」
「違うってー！」と笑いながら隣を見ると、雅紀はまたむーっと口を一文字にしてる。
眉間にもギュッと皺。
「お仕事？」
「...うん、そうだよ？」
雅紀が「ふーん」と鼻から抜けるような相槌を打ちながらクルッと私に背中を向けた。
その行動が何か可愛くて背中をツンツンつついてみると、振り返った雅紀は「...その日は早く帰って来てね」なんて普段は絶対言わない事を、唇を尖らせて呟いた。
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米(ヨネ)(プロフ) - ずっと読みたかった『アディクトインダストリー』やっと読める日が来た事に感動(T^T)同じ人のお話を並行して読むには頭が追いつかないようで(笑)他の相葉さん読んでる最中に登場したレイさんの相葉さん。ずっと保温させていただいてました。満を持して！お邪魔します^^ (2019年3月29日 4時) (
レス) id: c17294886d (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 明けましておめでとうございます。櫻井社長が何か仕掛けてくるのか、こないのか。気になる。３月まで忙しくてリアタイで読めないの(泣)だから変なタイミングでコメントする事をお許し下さい(笑) (2019年1月2日 9時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - みっちゃんさん» 楽しんで頂けててよかったですー(*´ω｀*)cube、私も好きな映画だったのでお話に出したいなぁと思って(*´ω｀*)新章も楽しんで頂けますように☆ (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - なおさん» 何か、例えばニノちゃんのお話だと物凄く反応を頂けるんですけど今回はあまり楽しんで頂けてる雰囲気を感じられなかったんですよー(^◇^;)でもお声掛けして頂けて良かったです！最後まで頑張ります(*´ω｀*) (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - こっしーさん» こんにちは！私もこんなワンコが家にいてくれたら、本当になんでも頑張れるしすぐ家に帰りますー(*´ω｀*)続きも楽しんで頂けますように☆ (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2018年12月5日 0時
