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状況が何も理解できないまま、
お昼休憩を迎えてしまった。
さっきの正門さんの余韻というか、
あの笑顔が頭から離れず、なんなら頭が痛い……
重い足を引きずりながら、食堂に向かえば、
にっこり微笑みながら手招きする正門くんと
ムスッとしている、男の人……
正門「Aちゃん！こっち！」
「え、あ、はい！」
正門「Aちゃん、こいつが大吾。
西畑大吾、俺と同じ営業部。」
「あ、えっと、経理部の桜井です……お願いします、」
西畑「ふぅ〜ん。健気やな、お前も正門も」
正門「ちょ、大吾！！ごめんなあ？
大吾も悪気ないねん……」
「んーん！全然大丈夫…
私別で食べるんで……」
正門「え！？」
「え？」
正門「あかんよ」
「…あかんくない、です
失礼しますっ！」
私は耐えきれずそそくさと食堂を後にした。
せっかくお昼を誘ってもらったのに、
逃げ出してきてしまったことを少し反省する
朝食べるに食べれなかった菓子パンを小銭を片手に
普段は洗濯物しか干されていない屋上へとあがった
途中でジュースを買い、
屋上で風に当たりながら、菓子パンを貪る
私にはこれがお似合いなのかもしれない
元々、陽キャと呼ばれる人種ではなく、
静かに学生生活を送ってきた方だったから
なんだかこの静かな時間と空間が心地よかった
むしろ食堂は少しザワザワしすぎてたくらい
きっと正門さんと西畑さんのせいだろう
情報に疎い私だって何となく知ってる
西畑大吾って人、
営業部のエリート中のエリートなんだもん
社内で有名な正門さんと西畑さん……
そりゃあ、私には場違いだ……
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作者名：m | 作成日時：2021年1月16日 3時
