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そこは
陽だまりで
冬の始まりの太陽の暖かさを感じて
穏やかな時間が流れてた
キミのコートと私のコートの肩が少しだけ触れててその感覚にドキドキした
目を閉じると下から子供達の声が聞こえた
「……。」
「あ、あのね私そろそろお買い物して帰らなくちゃ……」
「あ!ごめんなさい
そっか……そうだよね
呼び止めちゃってごめん!!
なんか色々勢いで喋っちゃってごめん」
「ううん…嬉しかったし楽しかったよ
なんか、こんな事言って良いのかわからない
けど、私も会いたか…会えてよかった!!」
さっきまで普通に話してたのに
その言葉を口にしたら急に目頭が熱くなって
きて、
キミの顔が見れなかった
早くこの場所から離れなきゃって
「それじゃあ…」
ベンチから立ち上がって足早に去ろうとすると
キミは私の腕を掴んで振り向かせた
それから大きな瞳を更に大きくして
「…!? な、泣いてるの?」
「なななな、泣いてないよ!!
コ、コンタクトが乾いちゃって!!あははは」って精一杯の作り笑顔
「嘘、この前も嘘だったでしょ
俺その位はわかるんだけど…」
って急に真剣な顔になって
それからこう続けた
「今日は…
パンはないしコーヒーは冷めちゃったし…
あーーーどうしよう!!」
「へ?」
って思わす変な声が出た
そしてまた笑ってしまった
もー!人のことなんだと思ってるのかしら
「本当に泣いてないから!大丈夫だよ
ありがとう」
「本当??俺…
…ーあの…せ……ケントです!」
「えっ?」
「名前!ケントっていいます」
ここでー??自己紹介始まったけど!?
「ふふふ…ケントくん!
Aです…よろしくね」って
私の腕を掴んでいた手をそっと外して握手した(笑)
キミのその独特な人との距離感にハラハラするよ
もう会えないかもしれないし
また会えるかもしれない
また会えたその時は、
キミのその優しさに勝手にきゅんってさせてもらってもいいかな?
その位は…いいかなぁ??
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作者名:m | 作成日時:2017年10月21日 17時