真っ白な雪へ嘘が降る (ページ3)

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去年ずっと一緒にいた、

同じ部活の優梨(ゆうり)と悠(はるか)とは

クラスが離れてしまった。

この2人にもやっと心が開けたくらいのクラス替え。

新しいクラスには無論、

完全に心を許している人がいない。

強いて言えば、今日までの3年と半日の中で、

何百回も喧嘩をしたななくらいだ。

ここからは少し私のお話。

私自身、自分はこの人と一緒にして

『有益』か『無益』かで人を選ぶ。

嘘つきのななよりよっぽど性格が悪い気もするな。

でもね、そうしなきゃ女子校なんて

のんびり生きていられない。

ほらそこにも、中学の3年間

かるた部とか言う根暗な部活に入り浸り、

人気者の子に引っ付いてる金魚の糞がいるよ？

ね？ああはなりたくないんだよ。

確かに、漫画やテレビで見る

スクールカースト制が色濃く残ってるとは

言い難い。

でも、多少のヒエラルキーは存在する。

客観的に見ると、ダンス部のエースのなな、

中学生の頃部長をしていた私、まりあ、

立ち位置が前の方であった

優梨と悠は、実質的に、

ヒエラルキーのトップ付近にいると

考えられるだろう。

そう言うわけで、

いくら嘘つきでも、

近過ぎず、遠過ぎずの関係を保つことが出来れば、

私にとって『有益』な人であると思う。

決して損はない。

ななと一緒いる事にした。

まりあ
「なーな！！！同じクラスだよー」

思いっきり背中を叩いてみた。

なな
「わぁ！！まじか…笑」

まりあ
「今年こそは2人とも温厚な性格になろう」

なな
「そうだね…笑高校生だし、大人の付き合いを！」

あー、久しぶりに2人で話した。

いつもの愛想笑いが立った二言話しただけで、

蘇る。

動悸がする。

そうして、私たちは講堂へと移動して、

入学式となった。

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