【02】 ページ16
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翔「ごめん、お待たせっ！」
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爽やかな顔して昇降口に現れた翔くんだけど
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その手には
さっきの子から貰った1個だけじゃなくて
たくさんのチョコレートが
無造作に詰め込まれた紙袋を嬉しそうに抱えていた
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それを見て、さっき以上にむうって膨れる私がいた
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翔「なに？麻衣……なんか怒ってる？」
麻衣「別にっ！？」
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女の子からの気持ちをこんなにたくさん
へーきで貰っちゃう翔くんが嫌い
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大好きだけど
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嫌い
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ぷんっ！
って、ついそっぽを向くと
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翔「ほらっ！やっぱり怒ってるっ！！なに？なんか俺、怒られることした？？？」
麻衣「お……怒ってないもんっ！」
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オンナゴコロが全然分かってない無神経な翔くんに
つい、強がったりして
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中学の時からモテてたのは知ってたけど
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私以外の女の子にもイイ顔しちゃう翔くんが
ちょっとだけ許せなかったんだ
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だって、女の子はいつだって
一人のトクベツでいたいって、思ってるから
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靴を履いて昇降口を出ると
翔くんはいつもと同じように
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翔「はい。」
って私の前に手を差し出した
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麻衣「……今日は、いい。」
翔「へ？なんで？？？麻衣の手……いっつも冷たいじゃん！」
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朝も帰りも
ずっとずっと手を繋いで
大好きなその横顔を眺めてきたけど
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今日はそんな気分じゃないから
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自分のコートのポケットに手を入れて
自分でぎゅって握る
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強引にでもその手を掴まえて
繋いでくれたら
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少しは
機嫌もよくなったかも知れないのに
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私の気持ちなんて
翔くんはきっと
全然分かってないんだ
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作者名：四葉（よつば）
作成日時：2013年2月4日 22時
