嫌いな幼馴染の彼女役をすることになった。(4)

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「続いての問題は算数ですよ！三角形の内角の和は？」

私は右手でさとみのセーターを掴んで、左手を上げた。

「矢島さん！」

「えっと、180度！」

さとみに必死にしがみついて答える。

「正解です！」

良かった。何とか少しでもポイント稼がないと。
というより、これ以上立つ面積狭くなったら困る！！

「あーあ、残念」

ホッと胸を撫で下ろす私とは真逆に面白くなさそうにボソッとつぶやいたさとみに私もさすがに腹が立つ。

優勝したいとか言ってたくせにこれじゃ負けちゃうよ！
なんで優勝したくない私が頑張ってるの！？

「日葵が俺の匂い好きだっていうから、こうやって楽しませてやってるのに･･･」

「い、今はいいから！」

「本当に？」

そう言ってさらに強く抱きしめてくるさとみのせいで体が仰け反って倒れそう。

このままじゃ落ちるか、さとみに圧死させられる･･･

「わかった！後で何でもするから、今はコンテストに集中して！！」

咄嗟に口にしたことにさとみの声色が変わった。

「言ったな？何でも、するんだな？」

「え･･･」

「嘘つくなよ」

さとみはそのまま腕の力を弱めた。

何？なんでそんなに嬉しそうなの？
怖いんですけど！！

自分が口走ったことだが、後悔する。

確かに今この危機は逃れたけど、その危機は後回しにされただけだ。

コンテスト終わったら絶対に一目散に逃げてやろう･･･

私はそう誓ってとにかくそのことは頭の隅に追いやった。

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