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「で!なんでこの人もいるんですか!?」
ビシッと音がしそうなほどピンと伸ばした人差し指で百瀬くんを指するぅとくん。
私が顔を覗かせると嬉しそうに笑ったが、百瀬くんが見えた途端に不機嫌そうに眉を寄せた。
「百瀬くんが部活ないから手伝ってくれるって・・・」
「手伝いなんかいらないですよ!!僕と真菜先輩がいれば十分です!!」
そう言って胸を張るるぅとくんの後ろで悠さんが寂しそうに「俺は?」と首を傾げている。
「今日は私も遅刻しちゃったし・・・せっかく手伝いたいって言ってくれてるし・・・たくさん人がいた方が楽しいし・・・ね?」
最後の方は無理矢理つけたような理由でるぅとくんも顔をしかめさせる一方。
「・・・・・・僕は真菜先輩がいたらいいのに・・・」
「え?」
るぅとくんの小さな声が上手く聞き取れず首を傾げたが、目をそらされてしまった。
遅れてきたから拗ねちゃったのかな・・・?
「・・・俺、何したらいい?」
少し気まずそうに尋ねる百瀬くん。せっかく手伝ってくれるのに申し訳ない。
「えっと・・・私はこれから中庭の花壇行くから、着いてきてもらおうかな?」
「え・・・」
分かりやすく嬉しそうにする百瀬くんとは反対にるぅとくんは寂しげにこちらを見つめてきた。
「るぅとくんは悠さんと温室のお世話してくれる?百瀬くんは全く勝手がわからないし、はやく終わったらその分はやく帰れるしね?いつも遅くまで一緒に残ってくれてるし・・・」
「分かりました」
るぅとくんは私の言葉を遮ってくるりと背を向けた。そのまま温室に消えていく彼の背にかける言葉も見つからない。
「あ・・・真菜ちゃんも作業に行きな?」
少し困った顔をしながらも悠さんは優しくそう言ってくれた。
「・・・すみません」
「真菜ちゃんが謝ることはないよ。大丈夫、るぅとくんも分かってるから」
私は悠さんに頷くと百瀬くんを連れて中庭に向かった。
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まるたちばな(プロフ) - らるこさん» そうですね。明ちゃんにとっても主人公は大切なお友達であるので、守ってあげたいんですね。これからも何回かモヤモヤ出てくると思いますが、よろしくお願いします笑視線についてはすぐ明らかになります (2021年1月31日 12時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
らるこ(プロフ) - 主人公の友達、相手を思っての行動なんでしょうけど、これまでの桃くんと主人公のやり取りを知ってる上で見るとモヤモヤしますね……。視線のことも引っかかりますね。ううん、続きが気になる! (2021年1月31日 0時) (レス) id: bfd6a96e81 (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - まるたちばなさん» 推しの幸せはファンの幸せでもありますからね。悲しませたくないな... (2021年1月30日 9時) (レス) id: d35532515e (このIDを非表示/違反報告)
まるたちばな(プロフ) - 緋彩さん» いつかそういう日が来たら楽しそうですね。彼らが活動だけでも楽しいならそれはそれで嬉しいですし、幸せでいてくれたらファンとして最高です^^* (2021年1月30日 0時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - まるたちばなさん» 照れながら話してるの見てみたいですよね!コメ欄が「可愛い!」で埋め尽されるのが目に見えますwww (2021年1月29日 9時) (レス) id: d35532515e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるたちばな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/marutatiba1/
作成日時:2021年1月9日 12時