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♡
部活の休憩時間、俺は少し涼もうと校舎と繋がる体育館横の通路に出た。
水道で頭から水を被って犬のように少し頭を振るとタオルを被る。ドリンクを片手に水気を取っていると外に大好きな後ろ姿を見つけた。
前まで随分と寂れていた花壇のそばで花を植えている様子の彼女に頬を緩めながら、その横の初めて見る存在に少し顔をしかめる。
「いや〜！さとみ、さっきの俺のシュート見てた？完璧やったやろ！」
「ジェル、うるせぇよ」
「休憩やし、ええやん！」
俺の肩に回されたチームメイトの手を振り払って、もう一度彼女に視線を向ける。
「なんや、さとみ･･･あの子好きなん？」
チームメイトの思わぬ発言に図星をつかれ、肩が揺れた。
「は？別に･･･」
何とかひねり出した言葉はたいそう情けないものだった。
「小学生か！そんな風に見てたら好き好き〜って言ってるようなもんやん」
「･･･」
「ツンデレさんめ！気になるならそんな黙って見とらんと声掛けたらええやん。あっ、俺が声掛けてあげよか？」
「やめろ。いいから邪魔すんな」
よけいなお節介をやこうとする彼を睨みつけるとつまらなさそうに体育館に戻っていく。
それに安堵して俺は彼女を眺めるのを再開した。廊下から外に出るための階段に座り込んで作業をする彼女を眺める。
鈍感なのか作業に夢中なのか、こんなに見つめているのに気づく気配すらない。
その方が好都合なような寂しいような･･･
そんなことより俺が気になるのは彼女の横にいる男だ。前までは用務員と二人で作業をしていると言っていたのに、新たな人間が増えているじゃないか。
しかも男。
笑顔を浮かべる彼女が愛おしいのに、それが他の男に向けられていると思うと忌々しい。
自分の重苦しい思いに嫌気がさしながらも彼女を見つめることも思うこともやめることはできない。
しばらくジーッと見つめていると男の方がチラリとこちらを見た。
目が合って一瞬体が強ばったが、男の目が意地悪く細められた途端、俺の中で交戦スイッチが入った。
なんだ？喧嘩なら受けて立つぜ？
そんな目で男を見下ろす。男は更に目を細めると、また彼女に向き直った。
くっそ･･･。お前なんて相手じゃない。そう言われた気分だ。
急に現れたくせにやけに馴れなれしいし、距離も近い。俺はイライラを募らせたまま体育館へと戻った。
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まるたちばな(プロフ) - らるこさん» そうですね。明ちゃんにとっても主人公は大切なお友達であるので、守ってあげたいんですね。これからも何回かモヤモヤ出てくると思いますが、よろしくお願いします笑視線についてはすぐ明らかになります (2021年1月31日 12時) (
レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
らるこ(プロフ) - 主人公の友達、相手を思っての行動なんでしょうけど、これまでの桃くんと主人公のやり取りを知ってる上で見るとモヤモヤしますね……。視線のことも引っかかりますね。ううん、続きが気になる！ (2021年1月31日 0時) (レス) id: bfd6a96e81 (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - まるたちばなさん» 推しの幸せはファンの幸せでもありますからね。悲しませたくないな... (2021年1月30日 9時) (レス) id: d35532515e (このIDを非表示/違反報告)
まるたちばな(プロフ) - 緋彩さん» いつかそういう日が来たら楽しそうですね。彼らが活動だけでも楽しいならそれはそれで嬉しいですし、幸せでいてくれたらファンとして最高です^^* (2021年1月30日 0時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - まるたちばなさん» 照れながら話してるの見てみたいですよね！コメ欄が「可愛い！」で埋め尽されるのが目に見えますwww (2021年1月29日 9時) (レス) id: d35532515e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるたちばな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/marutatiba1/
作成日時：2021年1月9日 12時
