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「美詞〜!お待たせ!!」

「莉犬くん!」

今日は月に一度の莉犬くんと出かける日。
智実さんもお休みのようだったがご友人さんに誘われたようだ。

「莉犬くん、大学はどう?」

「う〜ん・・・話は難しいけど楽しいかな」

そう言って本当に楽しそうに笑った莉犬くん。
いいな、私も行ってみたいななんて少し羨ましく思いながらもショッピングが始まった。

1軒のお店が目に留まり、中に入る。

「今日は何買うの?」

「智実さんとデートする用の服」

「智実くんと?それなら、ここじゃなくてもっとあっちみたいなお店じゃないの?」

そう言って莉犬くんが指さしたのは高級ブランドの服屋さん。

しかし、私は首を横に振った。

「実は、智実さんとデートするときは今度からなるべく普通で行こうってことになったの」

「普通?」

私は最近のことを全て説明した。

「なるほどね、金持ち庶民化計画ってところか・・・」

謎の計画名に苦笑いをこぼすと、顎に手を当て考えていた莉犬くんがこちらを向いた。

「ラフな格好を目指せばいいんだよね。それなら、美詞にはあっちのお店の方が似合うと思う」

そう言って今いる店を出て駆けだしていく莉犬くん。
私も慌ててその背を追う。

オススメされたお店は確かに私の趣味にあっていた。

実のところ高いブランド物のお店の服はあまり好きじゃない。
変わりばえがあまりなくて、着ていて緊張する服ばかり。

でも莉犬くんの教えてくれたこのお店の服は店の雰囲気も相まってか暖かく感じた。

莉犬くんにポイポイと何着か渡されて何度も試着室を出入りする。店員さんには少し申し訳なかったけど莉犬くんのセンスもよくて、良い物も見つけてとても楽しかった。

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作者名:まるたちばな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/marutatiba1/  
作成日時:2020年12月25日 20時

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