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「美詞!」

「瑠生、おはよう」

駅でいつも通り瑠生と会って電車に乗る。

「やっぱり、人多いね・・・」

「嫌なら、おく━━」

「いい!!それより美詞だって、智実さんがよく電車通学なんて許してくれたよね?」

「今朝、家を出るギリギリまでしぶってたけどね。駅まで歩いて5分なのに、車で送ろうか?って・・・」

私がそういうと瑠生もさすがに苦笑いをこぼした。

「そういえば、前に借りてたとこはやめて新しく引越したんだっけ?」

そう、お姉ちゃんと智実さんが新居に借りていた部屋はお互いに少し気まずいので、利便性の向上も兼ねて心機一転引っ越すことになったのだ。

「もっと安い所でいいって言ったんだけどね・・・」

「駅近の高級タワマンでしょ?セキュリティもすごいし、智実さんが選びそうなとこだよ。僕も気軽に遊びに行けないじゃん」

「来たら智実さんに追い返されるだけだよ」

そう言うと瑠生は残念とため息をついた。

莉犬くんには割と心を許している様子の智実さんだったが、なぜか瑠生にはまだまだ警戒しているようだった。

「まぁ、同棲生活お幸せに〜」

「なんかその言い方・・・新婚のラブラブ夫婦とかに言うやつじゃない?」

投げやりな瑠生の言葉に呆れると今度は瑠生が呆れた顔をした。

「自分たちがラブラブじゃないって言いたいの?」

「えぇ、私たちはそんなラブラブじゃなくない?」

「はぁ・・・智実さんからあんなに重たい愛もらっといてよく言うよね」

ため息をついた瑠生に首を傾げているといつの間にか学校の最寄り駅についたようだった。

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作者名:まるたちばな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/marutatiba1/  
作成日時:2020年12月25日 20時

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