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ミス・ブラック
その名を知らないものはいない
一昨年、組み分け帽子によってスリザリンへと組み分けされる。
誰にでも平等に接し、優しく慎ましい態度からスリザリン生だと言って忌み嫌うものはいなかった。
腰まで伸びたミルクティー色の手入れされた綺麗な髪からは、甘く爽やかな匂いがする。
夜空を映し出したような瞳は、いつも煌めいている。
誰もが恋焦がれる存在であり、手の届かない人物だった。
1人を除いて
『ねぇ！見てちょうだい。蝶々がサナギから羽化したわ！』
いつも人の上にたっている人物とは思えない無邪気なその笑顔を向けられると胸がくすぐったくなる
｢良かったじゃないか｣
それを悟られないように、読んでいた本から少しだけ目線を外し一言告げるだけ。また視線を本へともどす。
『もうっもう少し反応してくれたっていいじゃない！』
誰もが知っているミス・ブラックとは想像も出来ないほどに子供らしく無邪気である。
それを知っているのが自分一人だけだと思うと嬉しくなってしまう。
上がりそうになる口角を必死で抑える。
『興味無いの？』
｢無くはないさ。ただ今は本の方に興味がある。｣
『なによそれ』
ジト目で覗いてくる。その顔もなんとも愛らしく見えてしまう。
少女にとっても少年にとってもお互いが一番の理解者であり、唯一気が抜ける相手だった。
だからお互いを求めた。
恋仲になることに時間はかからなかった。
必要な部屋が彼らの逢引の場所となる。
なんでも出来るホグワーツ始まって以来の秀才であるアルバスと誇り高き純血であるブラック家のミス・ブラック
『ねぇ、私の結婚相手が決まったらしいわ』
いつものようにお互いを求め合った後、制服を元の規定通りに着直していたミス・ブラックがアルバスに告げた。
｢遅かったね。｣
それもそのはずだ、ブラック家のものなら年が2桁に行く前に相手が決まる。
『なかなか決まらなかったらしいわ』
｢そっか、卒業したら結婚するのかい？｣
アルバスはわかっていた。この時間が永遠では無いこと。
ミス・ブラックと自分が決して結ばれないことを
『そうみたいだわ。』
ミス・ブラックの瞳は救われない。
『きっと貴方は止めに来ないもの』
その言葉にアルバスは声が詰まる。
本当なら、君を誰も見つからないどこかへ連れ去ってしまいたい。
でも、それを言ってしまえば彼女は
ミス・ブラックが自分をこよなく愛していることを知っている。
だからこそ、この選択はアルバスにとってお互いにとって幸せだと信じていた。
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あずき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！！！落ちとかって決まったりしてますか？ (2023年1月31日 0時) (
レス) @page31 id: 452ba847db (このIDを非表示/違反報告)
まるものぷ(プロフ) - フォールさん» 私も大好きな小説なので気がつけばたくさん更新してしまいます笑頑張ります！ (2023年1月29日 21時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
まるものぷ(プロフ) - 真昼さん» とても嬉しいです。ありがとうございます！ (2023年1月29日 21時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - この小説に出会えて良かったです！まだまだ序盤の方だけどとてもおもしろいです！どうか主様のペースで最後まで筆記し続けて頂けると幸いです！頑張ってください、応援してます！ (2023年1月28日 21時) (レス) @page13 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - この先、どうなっていくのか楽しみです！最後まで応援しています！！ (2023年1月28日 8時) (レス) id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまびこ | 作成日時：2023年1月27日 1時
