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カーテンの隙間から朝日が昇る。
その光が少年の顔に明かりをともす。
まるで、眠り姫のように少年の眠る姿は美しかった。
このまま、目が覚めないのではないかと不安になるほどに。だからだろうか、しもべ妖精は毎朝少年を起こしに行くのが怖かった。
今日は、大丈夫なのだろうかと不安を抱いてしまうから。
いつか本当に目が覚めなくなってしまうのではないかとありもしない不安を勝手に抱えているのだ。
それは、少年の心優しい性格だからだろう。
しもべ妖精は、主として少年を慕っていた。崇拝するに近いかもしれない。
この屋敷の中で、誰よりも少年という存在を大切にしていた。
しもべ妖精という身分でそんなことを考えてはならないとわかっていても。
｢A様、お目覚めの時間ですよ｣
間違っても触れてしまわぬように、声だけで
『んんっ、』
その言葉に少し反応する少年を見て、しもべ妖精はほっと一息つく。
大丈夫だ。生きていると。
｢本日は学校での必要なものを買いに行かれる日ですよ。｣
その声は届いていない。
ただ、布団の中でモゾモゾと動く。
｢A様！｣
少しばかり声を大きくする。
少年は寝起きが悪くはなかった。
いつもなら先程のように声をかければ起きる。まぁ今日は違ったみたいだが
『起きるよ、ヴィーシャ』
優しい甘い声が静かな朝に響く
その心地良さは生きている喜びを与えてくれる。
｢本日もお元気で何よりでございます｣
『ヴィーシャのおかげだよ』
そっと、しもべ妖精の頭を優しく撫でる。少しくすぐったいのだがこの時間がしもべ妖精にとって何よりも愛おしい時間だった。
少年は布団から起き上がり、机の脇にある杖を一振すればあっという間に身支度は終わる。
部屋にある姿見に映る姿は先ほどとは打って変わり、絵本から飛び出した王子様のようだった。
少年は今年で11歳を迎える。
まだ顔つきは十分に成長はしていないため、中性的な顔立ちがよりいっそう儚げで美しさをひきたてる。
男の子とも女の子とも見れるその容姿はまさに穢れなどない純粋無垢な天使のようなものであったが、それと同時に人々を狂わすほどに魔性でもあった。
そんな少年の父と母は彼を1人で外に出すことを拒んだ。
『お母様、お父様。今、身支度が終わったよ』
｢あぁ、おはよう。A｣
｢朝食を食べたら行きましょうね｣
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あずき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！！！落ちとかって決まったりしてますか？ (2023年1月31日 0時) (
レス) @page31 id: 452ba847db (このIDを非表示/違反報告)
まるものぷ(プロフ) - フォールさん» 私も大好きな小説なので気がつけばたくさん更新してしまいます笑頑張ります！ (2023年1月29日 21時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
まるものぷ(プロフ) - 真昼さん» とても嬉しいです。ありがとうございます！ (2023年1月29日 21時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - この小説に出会えて良かったです！まだまだ序盤の方だけどとてもおもしろいです！どうか主様のペースで最後まで筆記し続けて頂けると幸いです！頑張ってください、応援してます！ (2023年1月28日 21時) (レス) @page13 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - この先、どうなっていくのか楽しみです！最後まで応援しています！！ (2023年1月28日 8時) (レス) id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまびこ | 作成日時：2023年1月27日 1時
