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38話【総悟13】 ページ40

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―高杉side―




「チッ...」


路地裏に逃げ込んで数分。
追いかけてくる奴は誰も居なく。

人混みの中で離れてしまった温もりが残る左手。
それをジッと見つめる。

あのバカが声を出したせいで真選組に見つかり、巻くために走り出せばソイツともはぐれてしまい。


「あのバカ...」


どうせ1つの場所に留まらずフラフラしているのだろう、と考える。
そんなに頭の働く奴じゃねェし、俺が迷子になったとか言って探しているはずだ。

だがまぁ俺もノコノコ路上に出れる訳もなく。
つくづく面倒くせェ、と煙管を取りだし一服する。

...が、ふと俺の近くに気配を感じた。
刀の柄を握り締め、後ろに全神経を集中させる。


「.......」


「....高杉。」


その聞こえてきた声は聞きなれており、だが聞きたくない声だった。
ゆっくりと視線だけそちらに向ければ、変わらない鬱陶しそうな長髪が視界に入る。


「....ヅラか。」


「ヅラじゃない、桂だ。」


俺に話しかけていて、それでもなお近づいて来ようとしないのは警戒してなのか。
どうでも良いが、そうなのだろう。

紫煙を吐き、黙ってソイツを見つめれば口を開き「良いのか」なんて。


「お前が最近気に入ってるらしい女...車に乗せられ連れられていたが。」


その言葉に俺は溜め息を吐く。
やっぱりアイツはアイツだ。まんまと連れ去られやがって。

俺は煙管を懐にしまうと、路地裏から一歩路上に踏み出す。


「...お前、あの女をそんなに気に入ったか。」


少し口元を緩め聞いてくるヅラに、俺は口角を上げる。
気に入っちゃいる。勿論。

...でもまァ言える事と言えば、1つくらいで。


「俺ァただ、美しいモンと面白ェモンが好きなだけだ。」

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総悟13(低浮上)(プロフ) - ◆戦場の椿姫◆さん» コメントありがとうございます!読み返していただけるなんて嬉しいです!ありがとうございます(笑) (2017年8月22日 19時) (レス) id: 56f522caa1 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ◆戦場の椿姫◆さん» ありがとうございます!!完結した作品を何度も読み返してくれるのは、作者側としては本当に嬉しいです!! (2017年8月18日 15時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
◆戦場の椿姫◆ - わぁぉ…凄くいい作品だネ♪ヤバイ…全部読み終わってもまた何回も読み返しちゃってる… (2017年8月18日 11時) (レス) id: 3e81e6a0f7 (このIDを非表示/違反報告)
総悟13(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!高杉カッコいいですよねー!こちらこそありがとうございます(笑) (2017年1月6日 19時) (レス) id: 467c9905a7 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - りんさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます!!!頑張って書いた甲斐があります! (2017年1月5日 10時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:殺し屋総悟13 x他2人 | 作者ホームページ:総悟13のホームページ?  
作成日時:2016年12月12日 21時

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