【銀魂】君の背中に体を預けて【高杉晋助】

暖かい人、暖かい陽射し ページ7

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総督の傷は大して深いものではなかった。

侵入していたのは敵の兵。
総督が風呂に入っていて丸腰の時を狙ったらしい。
つくづく卑怯な手だ。



「あ、総督...、まだ起き上がっちゃダメですって」

「.....これくれェでくたばるかよ」

「是が非でもくたばっててもらいますよ。血が噴き出したら困ります」

「噴き出すなんざあるわけねェだろ」



とにかく、と総督を布団に戻す。
強情なこの人は力付くでも休んでいてもらわなきゃ。
この状態で銀時さんと喧嘩でもされたら困る。

総督は少し不機嫌そうに私を睨んだ後、目力を緩めて私を見つめる。
深い緑の瞳に見つめられ、私は少し目線を逸らす。



「......黒川......黒川、A」

「な、なんでしょう総督...」

「高杉で良い」

「......なんでしょう、高杉さん」



繰り返すように私の名前を呼んだ高杉さん。
そしてフッと静かに笑う。
私はキョトンとしたまま彼を見つめる。
部屋の障子から光が射し込んでいる辺り、雲天は晴れかけているのか。



「.....お前は俺をどう思う」

「...どう思うってそりゃ.....んー......と、」

「冷血硬派だ冷静沈着だ、そんな男に見えるかねェ」



それは問いかけている風でもなく、語っているようだった。
その問いが、何を表すのかは分からない。
高杉さんの言葉の真意は、あまり分からない。

......でも。



「.....高杉さんは......暖かい人です」



冷血硬派や冷静沈着......
"冷"なんて字が似合わないほどに
貴方は暖かい人だと、私は思いますよ。

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