背中合わせて ページ31
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「......A」
「...高杉さん...ッ!」
私の名を呼ぶ妖しい声。
私は刀を投げ捨てて、彼に抱きつく。
昔からずっと、こうしたかった。
嫌われないかどうかだけ気にして、しなかったけれど。
彼も抱き締め返す。
そんな光景を、真選組は驚いたように見ていた。
「.....やっぱり、そうでしたかィ」
そんな沈黙の中。
口を開いたのは沖田隊長だった。
沖田隊長はポケットから紙を取り出す。
あれは......写真。攘夷時代の、写真。
「部屋に落ちてやした。アンタやっぱり...元攘夷志士かィ」
「.....正確にはコイツは、元鬼兵隊だ」
高杉さんの言葉で、真選組がざわつく。
でも私はそれよりも、高杉さんが側に居るという事実が、とてつもなく嬉しかった。
ふわり、香る煙管の匂い。
安心する......けど。
「.....高杉さんの温かさから伝わってくるものが...変わったね」
「...ほォ」
「希望から.....憎しみに、変わったね」
「.....あァ...そうなのかもな」
でも私は、彼を嫌いにはならない。
伝わってくる温かさが何であろうと
私が好きなのは、高杉さんだから。
高杉さんが変わらない限り、私は彼を愛し続けるんだ。
私は刀を拾い上げ、鞘に納める。
そして高杉さんに手を引かれながら、舟の中に向かう。
「高杉さん......高杉さん、は」
温かいです。昔と何も、変わらない。
「また、背中合わせて.....暖を取りましょうね」
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にゃご - 総悟13さん» いやいやいや、見に来てくれるのは嬉しいですがもう本当に駄作ですから。ちなみに今は「一目惚れ片想い」ってやつを書いてます。……駄作な上にテストがあるから更新出来ないという…… (2017年2月17日 21時) (レス) id: a66f0ad43b (このIDを非表示/違反報告)
総悟13(プロフ) - にゃごさん» コメントありがとうございます!本当ですか、嬉しい!足元にも及ばないだなんてそんな!!もしよろしければ作品見に行っても......? (2017年2月17日 21時) (レス) id: 467c9905a7 (このIDを非表示/違反報告)
にゃご - すごく面白かったです!高杉のキャラがしっかりとかかれていて、つい一気読みしてしまいました(笑)私なんか足元にも及ばない…… (2017年2月17日 21時) (レス) id: a66f0ad43b (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 総悟13さん» 了解です!urlさえ入れれば誰の作品でも申請できるっぽいので…わざわざすみません! (2017年2月15日 17時) (レス) id: a7797251d7 (このIDを非表示/違反報告)
総悟13(プロフ) - 黒猫さん» ああ!!わざわざありがとうございます!はい、あってます!恐れ多いだなんて(笑)ありがとうございます! (2017年2月14日 16時) (レス) id: 467c9905a7 (このIDを非表示/違反報告)
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