【銀魂】君の背中に体を預けて【高杉晋助】

泣き出しそうなモノ ページ3

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「.....どうした、黒川」

「あ、副長.....へへ、つい癖で」



そう言って頬を掻く。
.....今日もなかった。


攘夷時代。
私は異名はないものの、四天王に認められるほどは強かった。
今はそれを秘密にして、真選組に所属している。
剣を握らないと、落ち着かない性分になってしまったようで。



(.....ま、来るわけないよなぁ)



そんなこんなで今も人を斬り血を浴びの日常なわけだが。
攘夷時代の想い...誰かを救いたいやら、天人を追い出したいやら。
そんな想いは全て捨てたはずだった私が、唯一捨てられないもの。

――――想い人、である。

攘夷戦争を共に戦った盟友。
今は離ればなれになってしまっているものの、まだ別れてはいない。

私はそんな彼からの"手紙"を、未だに待ち続けているのだ。
戦争から５年経った、今でも。



「お前、毎日毎日郵便受けを覗くな。手紙でも待ってんのか？」

「まさか......ただ、何か手紙が来ていたら真っ先に副長に届けなきゃ、と思ってまして」



謎の使命感です、使命感。

勘の鋭い副長ならすぐに嘘と気づくであろう口振り。
でも私の嘘は、決して見破られない。
何故って？それは、簡単なこと。

私も私に嘘をついているから。

毎日郵便受けを覗いては溜め息。
でもきっと来るから寂しくない、なんて。



「.....副長」

「あァ？」

「........雨、降りそうですね」

「...そうだな、入るか」



雲天。
よりによって今日は雲天か。

今にも泣き出しそうな空に、私は視線を動かす。

彼と出会ったのも、この天気だったか。

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