【銀魂3z】押してダメでも押してみる【神威】

43話【総悟13】 ページ45

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「そ、そうですか......うっす、了解しました」



んじゃ後は若いお二人で、なんて言って後ろ手で扉を閉める。
バタン、と閉まったドアに寄りかかって前を見れば、丁度阿伏兎さんが階段を上がってこちらへ来るところだった。私は「やっちまいました」と笑う。



「やると思ったよ。ハチャメチャな嬢ちゃんなら尚更」

「本当ですよね。やっちまいましたよね」

「............どーした、素直すぎて気持ち悪、......」



阿伏兎さんは私の顎を掴んでぐいっと上げる。
顎クイのシチュエーションがなんだかおかしいし相手も望んだ相手じゃないのだが。

私の顔を見た阿伏兎さんは驚いたように目を見開いた。



「......嬢ちゃん、お前」

「あはは、私......本当メンタル弱くって。もー悲しいなぁ！」

「............」

「......毎日無理して笑って、......でもやっぱり神威さんの前で嘘の笑顔を見せるのなんて嫌で、でも...」



バカだから、どうしたら良いのかなんて分からなくて。
結局機会を掴めずにこんな惨めなザマ晒すことになりましたよ、と。

頬に伝う水を必死に拭うも、それはどんどんどんどん溢れてくる。

お得意の、神威さんと同じ笑顔を浮かべようとするけれど、ひきつってしまう。
............バカだなぁ。



「わっ、私あの......晋ちゃんのところに行ってきます！！」

「っ、オイ、嬢ちゃん！」

「晋ちゃんなら『くだらねェ』って私をブッ飛ばしてくれそうな気がするので！」



さようなら、と手を振って、私はその場を後にした。

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