【銀魂3z】押してダメでも押してみる【神威】

36話【堕天使】 ページ38

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「取り敢えずあーんでもしましょうか」

「だって、阿伏兎」

「「えっ」」



私のアタックを華麗に避けて逃げる神威さんは、箸を止めない。「つーかさ、」なんて話を続けるので耳を傾ければ「トマト率高くない？」と。

確かに何個もある特大お弁当箱の中にはかなりの数のトマトが入っている。それにはたった一つ理由があった。



「私、トマト嫌いなんですよ」

「お前に嫌いな食いモンなんてあったんだ」

「はい。でも、好き嫌いって良くないじゃないですか。だから、克服しようと思いまして」



「トマト農家の方にも悪いですし」と続ければ「へぇ」とあまり興味が無さそうな返事。自分の事だから言いづらいけれど、好き嫌いを無くす為に嫌いな食べ物を沢山食べて克服しようなんて考える私ってかなり偉いのではないだろうか。



「･･･ねぇその褒めてオーラ出すのやめてくんない」

「だって偉いと思いません？」

「普通」

「･･･っあ！あー！か、神威さんに食べさせてもらえれば私、トマト大好きになるかもしれないなぁー！」

「トマトはお前に食われたくないってさ」

「まさかのトマト側からの拒否！！」



唐揚げをパクパクと食べ続ける神威さんはミニトマトのヘタを取って口に入れる。じっと見つめていれば「トマトなんか食わなくても死なないって」と呟いた。



「いや！死にます！主に肌が！」

「死ねばいいんじゃない」

「嫌ですよ！食べさせてくださいよお願いしますー！私もあーんのお返ししますからー！」

「断る」



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