【SV】ポケモン嫌いの日常〔2〕 (ページ6)

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……

「うーん、捻挫だよね。しばらく安静にして様子見たほうがいいかも。」

ミモザ先生に捻った足を診てもらう。
しっかり処置はしてもらったが、安静にして待つ以外の治療法はないようだ。

「どのくらいで動けるようになりますかね。」

「軽度だし〜、早くて１週間かな。２週間以上はかからないと思うよ。」

最低で１週間。

「え、あの……課外授業の期間終わっちゃいません…？」

「残念だったねー。次の宝探しで頑張りなよ！」

えええ…
別にジムだとかチャンピオンだとか達成したい目標があったわけじゃないけど。結構楽しみにしてたんだけどな…

「えーっと、クラスは1-Aだよね？担任のジニア先生にはあたしから報告しとくよ？」

「……はい。」

「ま、元気だしなよ〜。怪我して宝探し中断になる生徒…毎回一人はいるんだよねー。」

「もし早めに歩けるようになったら、動いても大丈夫ですか。」

「最低一週間は安静に！」

ミモザ先生は念を押して言うと、書類の記入を再開する。

「処置は終わったよ。歩くぐらいならいいけど、走ったり激しい運動はしないでー。」

「…はい、ありがとうございました。」

現実を受け止められないまま保健室を出る。
確かにまだ僅かに痛みが残っているが、歩くのに支障は全くないように思える。別に私は宝探しでポケモンバトルなんかをするわけじゃないし、歩くことができるなら何も問題はないような気がするのだが。

毎回なんらかののトラブルに遭遇してるだろ！というペパー先輩の言葉を思い出す。フラッシュバックするここ数日の思い出…。

「……安静にしておくか。」

仕方がない……溜まっている授業の消化と、読みかけの論文、以前読んだロトムの生態を解説した書籍も読み直したいし…あ、あとはさっきのケンタロスの群れの考察もやっておきたい。考えてみると、宝探しに行かなくとも校内でやれるやりたいことはいっぱいあった。

私の後をついてくるスマホロトムに視線を向ける。
初めてのアカデミー校舎に興味深々のようだった。

「……」

私は勉強が嫌いじゃないし、きっと宝探しに行かなくとも、負けないくらい価値のある時間を過ごすことができると思う。……だけどきっと、これじゃポケモン克服はできないんだろうな。

……

私が自室で本を読んでいる間…
みんなは、このパルデアの大地で、どんな宝を見つけるのだろうか。