-8 ページ10
何回かあいつらとは戦場で会った。黄色の瞳の妙に煽ってくる奴とか、青色の瞳の妙にうるさい奴とも戦った。全員強くて、すごく楽しかった。
「なあお前！ 俺たちの国に来ないか！？」
「えー、僕命令に逆らうのはダメって言われとるし！」
「ルールってのは破るためにあるんだぞ！」
「それはテメェだけだこの型破り五歳児グルッペンくんが！」
「僕体の中にチップ？ 埋め込まれてるらしいんでちょっとー！」
「あといい加減兄の方には会わせてくれないのか！？」
「兄貴は忙しいから！」
「嘘つけ絶対テメェブラコンやろ！」
「ぶら、なんてー！？」
兄貴は楽しそうにそれを語る僕を、楽しそうに聞いていた。話し終わったら、嬉しそうに僕の頭を撫でてくれた。
何回かそれを繰り返したある日、その日は赤マフラー男の隙が大きかった。だから、そのまま金髪指揮官へと刃を突き立てようとした。
驚きに目を見張る皆に、あれ、と思った。
いつから、自分は、こいつらを、殺したく、ないと。
そのまま刃がそいつに吸い込まれそうになった瞬間。
俺の手の甲に、ナイフが突き刺さった。
「、ぇ」
どろり。血液が溢れ出る。赤マフラー男の剣の薙ぎをバックステップで躱し、ナイフが刺さった手を見た。痛い。痛いけれど、それ以上に。
大声で何かを言う皆の中、僕は立ち尽くした。
あれ。このナイフ。だって。なんで。
「あっぶね……！」
「あに、き？」
ナイフを投げた構えをとっている、兄貴がいる。兄貴は眉を下げて、自分を見ていた。
今まで、一度も、兄貴は俺に怪我なんてさせたこと。
「おい大丈夫かグルッペン！」
「は？ え？ あれ、兄の方だよな？」
「なんで双子の一人が守って……」
黄色のやつと、青色のやつの遠くに声が聞こえる。混乱する中で、兄貴は眉を下げて笑った。
「あー……うーん、せやなあ。なあ、グルッペン・フューラー」
「……なんだ、兄の方」
「弟、連れてってくれや」
「は？」
俺がぽかんとすると、金髪指揮官も驚いたようだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 211人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まんま - 失礼します。前作のutciは完結したんですか？ (1月6日 23時) (
レス) id: f3ab7c070a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみもち(プロフ) - うみさん» 総統は総統でしかないので総統らしいと思ってくれたら何よりだ！私の小説で誰かを幸せにできたなら作者冥利に尽きるぜ！ありがとう！情緒消しとんだ？やったぜ┗( ･´ｰ･｀)┛ (2020年10月2日 22時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみもち(プロフ) - うみさん» 毎度ながらコメント速いな？？ありがとうございます！！携帯さんかわいそう(こなみ)。総統と総統はカッコいいを煮詰めたように書いてるので書きづらいのに書きやすいという不思議な現象に陥っております。作者のせいで携帯さんが被害を受けたなら嬉しいぞ！ (2020年10月2日 22時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - いやもうまじで好きです、、、、、、前世の総統が「"お前達"はもう俺の手から離れてしまった」って言った時「ん"""""っっっ！！！」ってなって携帯投げちゃいましたよ壊れちゃう！！！！ありがとうございます私は幸せです。 (2020年10月2日 20時) (レス) id: c77cf16874 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ヒエッ、、、、、、、またそうやって情緒乱すんだから！！！もう、、、もう！！！！！通知来てないけどもしかしたらと思って見に来たら総統と総統がめっちゃかっこいいやり取りしてて情緒消しとんじゃったじゃないですかどうしてくれる！？！？！？ (2020年10月2日 20時) (レス) id: c77cf16874 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
