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「この子は男の子と話すのに慣れていなくて、ここでやっていく自信がないの。みんなが協力してくれると嬉しいわ。優しく話しかけてあげて」
幼稚園に初めて来た子供みたいだが、実際それくらい苦労をかけているのだろう。はい! とその子が何やら嬉しそうに返事をするので、やっぱりみんなシナ先生が好きなんだなとつくづく感じる。私も好き。
でもね先生。すぐにネガティブなこと言うからって、そんなに強く肩握らないで? 痛い痛い。ギリギリ言ってる。
「いいかな? それじゃあ…………三木ヱ門の隣に座ってもらおうか」
瀬戸先生が言うと、その三木エ門らしき人が返事をする。位置を確認して、私も頷く。
「よろしくな、A。それでは朝礼終わり!」
先生の声と共に号令がかかる。その後すぐにシナ先生はくノ一教室の朝礼に行ってしまった。ごめんなさい、付き合わせてしまって。
一人になった私は肩を落として、トボトボと指定された席に向かう。うう、みんなの視線が痛い。頼むからこっちを見ないで…………。
「こっちだよ」
先ほど返事をしていた子が手を振って教えてくれた。綺麗な茶髪に整った顔をしている。ちょっとだけ、女の子みたい。言わないけど。
声をかけてもらって少しホッとした。ありがとう、と礼を言いながら隣に座ると煌めく笑顔を見せられた。燃えるような美しい瞳をしている。
「今日からクラスメイトだからな。私は田村三木エ門! 過激な武器が得意な忍術学園のアイドルだ!」
なんだろう、既視感? よく見たらこの子テレビで見たことあった。いつも喧嘩してた人だ。こういう時何て返せばいいの?
『えっと、よく石火矢を持ってるよね。見たことある。よろしくね、三木エ門』
小学生の時の記憶を引っ張り出す。火を吹け私のコミュ力。ついアニメの感覚で呼び捨てにしてしまったが、大丈夫だろうか。
「おお、そうなのか! 彼女は石火矢のユリコ。後で他の子達にも合わせてあげるよ」
心底嬉しそうだった。ちゃんと名前つけるなんて偉いなぁ。わたしも簪に名前付けちゃおうかな。
「よろしくな、A!」
『うん、よろしくね』
まだまだパーソナルスペースは広いけど、挨拶出来ました。優しい人でよかった。意外と女子と変わらない。私が無駄に怯えていただけなのかな。
とりあえずは、この四年ろ組で頑張ってみます。
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砂糖水 - (_;´꒳`;):_同じくぅぅぅぅ (2023年3月21日 21時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 天女じゃない所は良き、ですがオリキャラとモブは無理だったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(((泣 (2023年3月4日 17時) (レス) @page12 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 初心者Mさん» 自分では仲のいい忍術学園しか想像出来ず、こうなりました笑 鼻血が出てますよ□ヾ(・∀・`o)フキフキ読んでくださってありがとうございます! (2021年3月17日 21時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
初心者M - 天女ものではない所が、好きです。(鼻血) (2021年3月17日 21時) (レス) id: 8867205e66 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさん、ありがとうごさいます!誰にも読んでもらえないと思っていたので凄く嬉しいです! (2021年3月17日 14時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まみむー | 作成日時:2021年3月16日 12時