委員会見学その四の段 ページ28
「次は…………体育委員会かな?」
『えっ』
「体育委員会はどこかへマラソンに行ってしまったよ」
尾浜先輩の言葉に顔を引き攣らせたが、それを聞いて安心する。グッジョブ、滝夜叉丸。現れたのは五年生の先輩だ。
「やあ、火薬委員会です。Aさんを迎えに来たよ」
『火薬委員会…………』
一体何をする委員会なんだろう。名前を聞いただけではあまり想像がつかない。
ていうかこの先輩も美人さんだ。黒い癖っ毛に長いまつ毛。色も白い。何でこう、私が生きにくい世の中になってしまったのだろう。
「兵助、気合入っているな」
「仕方ないだろう」
後ろで尾浜先輩と鉢屋先輩が話しているのを聞きつつ、私は美人な先輩について行った。
「俺は久々知兵助。火薬委員会には六年生がいないから、俺が代わりに委員長代理をしているんだ」
表情はあまり変わらず真面目な感じだが、声音は柔らかい。気合が入っているということはかなり大変で、人手を求めているのだろう。
『火薬委員会は何をするんですか?』
ちゃんと距離を保ってくれることに安堵しつつ私は聞く。見えてきたのは私もたまに使う、火薬庫だ。
「俺たちの仕事は、ここで火薬の整頓をしたり、新しく火薬の調合をしたり、実験の手伝いをすることだ。顧問は土井先生。さあ、入って入って」
高校の理科部みたいなものかな。よく分かんないけど。土井先生は距離をとりながらなら何度か話したことがある。アニメで見たことあるし、一年は組の担任の先生なんだよね。
『失礼します』
火薬庫の中はひんやりとしていた。火薬は燃えやすいから慎重な環境管理が必要らしい。独特の火薬の香りもするが、そこまで嫌いではない。家でも似たような匂いはしょっちゅうだ。
「A先輩!」
ニコニコと笑いながら伊助が駆け寄ってきた。それから、二年生の子も。見たことのある顔。確かこの子は…………
「二年い組の池田三郎次です」
すぐに名乗ってくれた。そうだ、三郎次だ。いつも乱太郎達をいじめていた印象しかないが、私が大きくなったからか思ったより小さい。
『よろしく、伊助、三郎次』
208人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
砂糖水 - (_;´꒳`;):_同じくぅぅぅぅ (2023年3月21日 21時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 天女じゃない所は良き、ですがオリキャラとモブは無理だったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(((泣 (2023年3月4日 17時) (レス) @page12 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 初心者Mさん» 自分では仲のいい忍術学園しか想像出来ず、こうなりました笑 鼻血が出てますよ□ヾ(・∀・`o)フキフキ読んでくださってありがとうございます! (2021年3月17日 21時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
初心者M - 天女ものではない所が、好きです。(鼻血) (2021年3月17日 21時) (レス) id: 8867205e66 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさん、ありがとうごさいます!誰にも読んでもらえないと思っていたので凄く嬉しいです! (2021年3月17日 14時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まみむー | 作成日時:2021年3月16日 12時