優秀なくのたま劣等生！其の一

新しい出会いの段 ページ3

皆さんこんにちは、AAです。忍たま乱太郎の世界で、くのたま四年生をやっています。私は視聴者側だったので、アニメの中にいると思うとなんだか不思議な気もしますね。私もまさか自分が死ぬまで、こんなことになるなんて思ってもみませんでした。
目覚めたら別世界だったんだもの。体も取引目撃後みたいに小さくなっちゃって。

まあ詳しいことは後に置いておいて。
この四年間、私は一生懸命に頑張ってきました。新しくできた大切な人たちと一緒に多少の困難も乗り越えてきました。しかし現在、かつてないほどの窮地に立たされています。


シナ先生に手に負えない発言をされた次の日。私は廊下でガタガタと震えていた。目の前の戸を開けたら、楽しそうに話している忍たま達とご対面だ。
シナ先生が横にいてくれるのがせめてもの救いだが、先生は機嫌が悪い。私があまりにもくの一校舎を離れたがらないので一度雷を落としたところだ。

何が嫌かって、この四年間、忍たま達とはほとんど話していないのだ。というより会っていない。なぜなら私は、男の人が苦手だから。

原因は分かっている。前世の記憶は朧げだが、小中高、そして大学での周囲の環境は覚えていた。合同の小中学校は田舎にあり、全校に六〇人もいないくらい。少なくとも同級生に男の子はいなかった。

高校は確か離れたところにしかなくて、迷うことなく女子大を受けた。真面目で教養がある女の子が多くて楽しかったような気もする。勉強が好きだったから、新しい言語とかもう少しやりたかったな。こんなところで話せても仕方ないけど。



で、問題はここからだ。訳の分からない間にこっちに来ても中身は素の自分のまま。忍術学園の入学式で絶望しましたもん。こんな私を色の成績が取れるまで忍たまと一緒にする？ 死ぬよ？ 頑張っては見るけど、ね。

『シナ先生、どうしてもダメですか？』

心の中ではこうは言うものの、実際はこんな弱々しい声しか出ない。シナ先生がきっぱりと首を横に振るので、もう逃げ道もない。

「これもAのためよ。あまりに経験が浅すぎるんだから。忍たまの子達はみんな良い子だから大丈夫。ユキたちもよく話しているでしょう？」

『それはそうですけど………』

　かわいい後輩達の顔を思い浮かべる。全く良い話は聞かないんだな、これが。

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