# 砂漠と二人部屋 ページ6
side : Ruggie Bucchi
「 ……おい、ラギー。 」
「 はい?なんっスか? 」
「 俺の横の部屋掃除してこい。部屋替えだ。 」
全くも〜、ホントに人使いが荒いんスから、レオナさんは。オレはレオナさんのお世話係じゃないんスよ。
………ていうか、なんで横の部屋?
いつもならうるさいからって理由で隣の部屋には誰も入れてなかったはずなんスけど。
疑問に思ったことをそのままレオナさんに聞いてみる。いつもなら無視コースなんスけどねぇ…
今日は珍しくご機嫌が良いらしく、割とあっさり教えてくれた。…入学式だったのにマジっスか?そんなこともあるんスね……
「 ……へぇ、あの殺気を出してた奴の部屋にねぇ。 」
「 あぁ。あの犬っころには興味が湧いた。 」
「 珍しいこともあるもんッスね〜、まああんだけの殺気出す相手なら一人部屋も納得っス。 」
「 あ?…一人部屋?お前と犬で二人部屋だろうが。 」
「 …………ッえ、ええええええ!いいんスか!? 」
オレの声を聞いて、うるせぇ。って言いながらベッドへと沈んでいったレオナさん。
……本当は、全然嬉しくなんてないんだけど。
だってさぁ、ムカつくっスよね。普通に考えて。俺がこの一年、どんな思いでレオナさんと過ごしてたのか。
んで、やっとレオナさんの役得で隣の部屋を!?って思ったら体のいい新入生の監視係。ほんとないっスわ。
ていうか、正直レオナさんがそこまであの犬に固執する意味が分かんない。
オレ自身、遠くにいたせいかあんまり殺気も感じられてないし。正直、ちょっと殺気出せる程度でしょ?
レオナさん曰く、あの犬はたぶんカリムくんのとこの従者みたいなもんなんじゃねーかって話で。
いいっスよね〜?犬ってだけでそんな金に困らないところにいけるんスから。
………スラムで毎日必死だったオレがバカみたいじゃないっスか。
「 ……ああ、君が新入生の犬くんっスか? 」
「 …犬……?まあ、はい。 」
「 シシシッ!オレはラギー・ブッチっス!気軽にラギー先輩って呼んでいいっスよ〜! 」
「 ラギー、先輩。…俺はA・ドーベルです。 」
あーあーあーあー、いけ好かねぇ。
そうやって上っ面だけ良くしとけばいいんスよねぇ。忠誠心だけのお犬さんは。
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れたら - 続きはありますか、?あったらぜひ読みたいです!更新待ってます (2022年3月31日 18時) (レス) id: 3a8e68ec4e (このIDを非表示/違反報告)
パピコ(プロフ) - 最高です。更新待ってます (2020年7月12日 0時) (レス) id: f19b0b021f (このIDを非表示/違反報告)
ココ - この小説とても好きです!更新楽しみにしてます。 (2020年6月4日 2時) (レス) id: 93e09ab845 (このIDを非表示/違反報告)
pokettoame(プロフ) - あーこれは……続きが気になります…… (2020年5月27日 12時) (レス) id: 2f9884d86e (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ワンコ可愛いですよね!これからも無理せずに頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年5月21日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千紗 | 作成日時:2020年5月13日 15時