うさぎさんの飼い方 (ページ12)

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気になるのでわたしもトミーさんに近寄る。そしてその手に握られていたのは……。

　小さなサングラスだった。

カンタ「絶対要らないじゃん！」
トミー「わかんないじゃん飼育書に必須アイテムとして載ってるかもしんないじゃん」
カンタ「載ってないし検索してもうさぎの耳が付いたパーティグッズのサングラスしか出てこねーよ！！」
トミー「気に入ったよなー？」

うーん……。まぁ、うさぎになってまさかお洒落が出来るとは思ってなかったから、正直嫌ではない。普通のうさぎだったら齧るなりぶん投げるなりするんだろうけど。わたしはそのサングラスの柄を咥える。

まんず「あ、でも興味あるっぽい」
トミー「よーし付けてやろうなー」

トミーさんに奪われ、次の瞬間わたしの視界が半分暗くなった。サングラスをかけたようだ。わたしが彼らの方を振り向けば、彼らはわたしのサングラス姿を認めて。

一同「……ブッ！！！！」

笑いだした。

カンタ「似合う似合う」
トミー「ウサキンさん登場しちゃったな」

何笑ってんだか。少々不機嫌になりつつ、わたしはソファの横に立てかけてあった小さい鏡の前に立つ。へぇ、結構可愛いじゃんわたし。ウサキンっていうのはYouTuberに疎いわたしでもわかる。ヒカキンさんのもじりだろう。彼はとても有名だし、テレビでもたまに見かけるしね。このサングラス姿は確かにヒカキンそんみたいだ。

Pさん「待って自分の姿鏡で確認してない？」
カンタ「ほんとだ！え、これ、映ってんの自分ってわかってんのかな」
トミー「ほんとだーすげぇー！めっちゃ頭いいなーお前ー！」
キイチ「サングラスも全然うざがらないっすね」
トミー「これは8点でいいだろ」
カンタ「うーん、トミー8点！」
トミー「おっしゃ！」

4万円もしたサングラスだ。気に入った素振りを見せてやらないと可哀想な気がして。わたしはサングラスを自分から外そうとはしなかった。すぐにPさんが「重いだろうから」って取ってくれたけど。

カンタ「じゃあ次は、僕です！」
トミー「そろそろ本気で役立ちそうなもん来てもいいんじゃね？」

トミーさんの言葉に、カンタさんの袋を開ける手が一瞬止まる。これは……。カンタさんもボケに走ったな。トミーさんもそれに気づいたのか、カンタさんの隣に立ち袋の中身を覗くと。引き攣り笑いをしながら袋の中に手を突っ込んだ。するとまぁ……。出るわ出るわ、大量の服。恐らく小型犬用のものだろう。