78 ページ28
.
Aが振り向くと、長身の男が2人。
片方は三つ編み、もう片方は眼鏡を掛けている。
「てかちょ〜可愛いね♡どしたの？」
「いきなり声掛けんなよ兄貴…不審者だぞオレら」
2人がそれぞれ話し出すと、Aは意を決して口を開いた。
「あ、あの…！このお店ってどうやって行くか分かりますか？」
2人にエマから送られてきたメールを見せ、尋ねると2人は顔を見合わせる。
「この店でいいんだな？」
「ヨユー♡六本木は俺らの庭だし任せとけって〜」
じゃ、行こっか♡と三つ編みの方はAの腰をずいっと抱き寄せる。
「はぁ？兄貴マジでいいとこ取りしかしねェ…」
俺こっちな、ともう片方がAと手を繋ぐ。
次々変わっていく状況に目を白黒させるA。しかしスキンシップには慣れている為あまり気にせず話し出した。
「そういえば、お二人の名前は？」
「ん〜？蘭。こっち俺の弟」
「俺、竜胆。お前は？」
「Aです」
ぺこっと軽く頭を下げるAに2人は笑う。
「Aちゃんね。てかタメでいいよぉ。俺のことは蘭ちゃん♡って呼んでネ」
「ら、蘭ちゃん？」
「かわい、♡」
蘭が距離を縮めているのをみて竜胆はむっとする。
先に目つけてたのは俺なのに…と。
「り、竜胆さんも………竜胆ちゃんって呼んだ方がいい？」
「いや、俺は普通に呼んでくれ」
「わかりました…じゃなくて、うん！」
Aが竜胆の方へ振り向き、そう尋ねると竜胆は少し心が晴れた気がした。
晴々しい気持ちになった竜胆は繋いでいた手を恋人繋ぎへと繋ぎ変える。
「な、今から誰と遊ぶんだ？」
「彼氏〜？」
2人からの問いかけにAは顔を赤くしながら否定する。
「彼氏なんていないよ〜。女の子の友達と遊びに来てたんですけど、はぐれちゃって」
「え、彼氏いねェの？」
「？うん」
そう返すAに蘭はにんまり笑い、Aの顎を人差し指で持ち上げ、目を合わせた。
「こんな可愛いのにいねーんだ。んじゃ俺彼氏立候補していーい？」
「蘭ちゃん、近い…」
しかし竜胆がAを蘭から引き剥がし、今度は竜胆がAと距離を縮める。
「兄貴は女癖悪ィし性悪だぜ、辞めとけ。俺にしとけば？」
と意地悪く笑う。
Aはこれまで出会ったことのないタイプの人間との関わりに珍しくドキドキしていた。
同年代のマイキーやらに近づかれるのは慣れていたが、年上の男子にこのように近づかれるのは初めてだったのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - 律さん» ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。 (2022年4月10日 23時) (
レス) id: da53087094 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - YUKIさん» よかったです…！続編もよろしくお願いします。 (2022年4月10日 23時) (レス) id: da53087094 (このIDを非表示/違反報告)
律 - 90話が2つあります (2022年3月24日 14時) (レス) id: 9309c00326 (このIDを非表示/違反報告)
YUKI - 見るのが初めてだったのでよかったです。 (2022年3月1日 17時) (レス) @page32 id: 4941e1735c (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 芹奈さん» 遅くなり申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。訂正致しましたので良ければご確認ください。 (2022年2月3日 1時) (レス) @page16 id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まる | 作成日時：2021年9月21日 17時
